妊娠検査薬で反応が出るのは、セックスの後どれくらい?
妊娠を心待ちにしている人、またはその真逆で、望んでないのに妊娠したかもしれなくてヒヤヒヤしている人など、セックスの後になるべく早めに、できれば1分1秒でも早く結果を知りたいと悶々とした日々を送っている人は、今まさにこの瞬間にも相当数いるのではないでしょうか。
セックス後、だいたい何日後から妊娠検査薬が使えるのか、ネットでもそのような検索ワードを入れて検索をかけている人もかなりの人数いるようです。
このように、妊娠したかどうかはセックスした日を基準に考えてしまう人が多いように見受けられますが、妊娠検査薬を使う際には、実はセックスした日は全く無視してしまっていいくらいなのです。
というのも、一般的に、妊娠検査薬は排卵日を基準にして使用できるかどうか判断するからです。
セックスの何日後から検査薬を使用できるかという質問に対して、ネット上にあれこれ情報が載っていたとしても、それは正しい答えでは無いので鵜呑みにはできません。
妊娠検査薬が反応する仕組みを見ていけば、その意味合いが簡単にお解りいただけるはずです。妊娠すると、女性の体は出産に向けて準備を始めます。
赤ちゃんを育てるために、hCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)というホルモンが胎盤で作られ始めるのです。
このhCGは通常、受精卵が子宮の壁に着床して初めて作られ始め、排卵後10日過ぎたあたりからお母さんの尿の中にもhCGが検出されるようになります。
排卵後12日目頃(着床後約3日)には25mIU/mL、排卵後14日頃、ちょうど妊娠4週目となる生理予定日頃には50mIU/mL以上に達し、その頃になると、日本で通常市販されている妊娠検査薬で妊娠の判定ができるようになります。
妊娠しなければhCGは作られないので、尿の中にhCGが含まれるかどうかが、妊娠を判断する重要な指標となるのです。
このように、妊娠検査薬を使う場合には、排卵日が重要な基準になるので、正確な排卵日が分かれば、最短での検査可能日も分かるといえます。
ここで排卵日について、ちょっと細かいかもしれませんが注意点があります。
ネットの情報などを見ていると「排卵日は生理が開始した日から2週間後あたり」とされているケースが多いですが、実際には人によって生理周期はまちまちですので、生理周期によって生理開始日から排卵日までの日数も異なり、必ずしも排卵日が生理開始から2週間後くらいに訪れるとは言い切れないのです。
それでは正確な排卵日が分からないかというと、生理周期が正確な人の場合には算出することが可能です。というのも、どんな生理周期の人でも、排卵日から次の生理開始日までは14日±2日と一定ですので、次の生理予定日のちょうど2週間前に排卵日を迎えることになるからです。
妊娠検査薬を使った場合の自己診断ですが、最近の市販の妊娠検査薬はかなり正確な結果が出せるように改良されおり、99%以上の正確性が確保されているといいますから、使用法さえきちんと守れば、陰性か陽性かの判断が間違うというようなことは、ほぼなくなりました。
排卵後14日以降に使用可能な通常の妊娠検査薬に加えて、25mIU/mLから検査が可能な早期妊娠検査薬も登場し、着床から3日ほど、生理開始予定日の3日前でも正確な診断が可能という、便利な時代になりました。
妊娠したかどうか、1日でも早く結果が知りたい人にとっては朗報とも言えるのですが、早期妊娠検査薬を使った場合の検査結果の信憑性は、通常のものよりは低くなるという調査結果も出ているようですので、その点は注意した方がいいかもしれません。
早期妊娠検査薬を用いる場合には、念のため日にちを置いて2度テストするようにすれば、より確実な結果が得られるでしょう。
また、妊娠検査薬の検査結果で、浮き出てきたラインが薄かったり細かったりする場合がありますが、決められた時間や用法をきちんと守って検査し、判定可能時間内に判定結果を見た場合には、たとえ薄くても陽性の反応が出ていれば、ほぼ確実に妊娠していると言えます。
陽性の線が薄かったり細かったりするのは、妊娠してから日が浅くて、hCG量がベストな量に満たないからであって、妊娠して日が経ってから再度検査すれば、hCG量も安定してきますので、ハッキリした陽性の線が出るはずです。
ただし、間違って陽性反応が出ることも稀にあるようですから、陽性が出てももう一度検査してみるとか、産婦人科で検査してみるとか、二重に確認してみると安心でしょう。
もしも、妊娠検査薬使用後にうっかり判定結果を見過ごしてしまい、結果を確かめる前に規定の時間以上経過してしまったような場合には、ずいぶん時間が経ってから陽性の反応が見えていたとしても、正しい判定かどうか危ういので、面倒でももう一度検査をする必要があります。
妊娠検査薬での判定結果が陰性だった場合も、実は排卵日が遅れていて、自分が思っていたよりも後に日にちがズレて受精したということも十分に考えられますので、検査薬が使用できる開始日ギリギリに検査したような場合には特に、その検査結果を完全に信じ切ってしまうのは危険です。
最低でも3日間、正確な数値を望む場合には1週間ほど経ってから、再度検査してみることをお勧めします。
また、判定結果が陰性と出たケースでも、その後に生理が来ない場合には、2~3日待ってから再検査するか、大事をとって産婦人科を受診してみてください。
妊娠をほぼ正確に判定するには、結局いまの段階では、排卵後受精してから2週間以上経過している必要があるということになりますが、科学技術は日々めざましく進歩していますから、近い将来、受精してすぐ妊娠が判定できるような時代が訪れるかもしれません。そうなってくると、女性にとって様々なメリットがありそうですね。
関連記事:「着床期間」はどれくらいかかるのか。受精から着床までを知ろう!
妊娠検査薬が反応するのはいつから? 市販の薬で妊娠を判定するには
低容量ピルをやめたあと、どれくらいで妊娠できるの?
生理直後に妊娠発覚!? 着床出血と経血、どう見分ける?
ライタープロフィール
円谷ミナミ
基本的に斜めの姿勢で世の中を見つめるフリーライター。
性的思考はボーダーレス。ただし多少女性に甘い。
自分のキュアリは?(女性としての内面磨き)(沈思黙考・無言実行)
”秘すれば華”を人生を通して実現する方法を模索している。
乙女の窓辺~女性にまつわる、うわさの検証~の四コマ連載中