暑くてもやっぱり冬へ向かう季節……秋の冷え性は夏と違う!
歳時記の中では8月23日が「処暑」と言い、暑さが収まる時節とされています。
実際には9月に入ってもまだまだ夏日が観測されるなど、とても夏が去ったとは思い難い気候が続きますが、それでも着実に日は短く、夜は長く、大地は冬へ向かう過渡期としての秋に移り変わっているのです。
暑さのはざまにうっすら涼しさが混じるようになり、夏バテを引きずりがちな女性たちにとっては非常に厳しい環境になっていくでしょう。
この時期には冷え性に悩む女性が増え、だるさ、食欲不振、あるいは逆に過食症、不眠症、あるいは眠っても眠っても眠り足りないといった症状が現れます。
手足のむくみは新陳代謝が落ちている証拠。
食欲不振は夏の疲れが胃腸にダメージを与えている証拠。
末端冷え性は血行不良と内臓の疲れを現し、短期的な体力維持方法としての栄養剤や刺激物の摂取ではもはや対応し切れません。
夏から秋へ。秋から冬へ。
温暖化と異常気象が叫ばれる昨今だからこそ、崩れかけた四季のリズムを身体に取り戻す工夫が必要なのです。
夏の健康法、秋の健康法などと季節を区切るのではなく、四季が連綿とつながった流れの中にあることを意識して体調管理に取り組んでください。
秋の冷え性対策を「衣」「食」「住」で考えたい
9月が白露、10月が衣替えと寒露、霜降を歳時記に記載されています。
まだまだ夏の気配が強い9月から10月へと、いかに体を慣らしていくか。これが大きな課題です。
新陳代謝を促す適度な運動、半身浴による自律神経の整調。
太陽によって脳のリズムが左右される人体は、日が長くなる秋にどうしても自律神経が乱れるのです。
正しく自律神経の働きを維持できれば、それだけでも多くの不調を未然に防げる可能性があります。
まずは適度な運動で汗を流し、老廃物の排出を助けましょう。
そして、夜には半身浴で1日分の自律神経の乱れを調整し、理想的な眠りを確保するように心がけてください。
また、夏によく食べる夏野菜もそろそろ絶つ時期です。トマト、ナス、キュウリなどは身体を冷やしますから、根菜類やかぼちゃ、アボカド、あるいはミネラル豊富なナッツ類といった「身体を温める食材」を中心にした食生活を意識する必要があります。
衣類については締め付けない靴下を重ね履きしたり、体感温度に合わせて脱ぎ着できるように重ね着したり、アウターを持ち歩いたりするようにしましょう。
朝は時間を決めて起床し、朝日を浴びること。これは通年で体内時計をリセットする有効な手段です。
ぜひこれだけでも毎日行うようにしていただきたいと思います。
睡眠中には思いがけないほど体温を発散してしまうものですから、夜間の寝冷えにも要注意です。
とはいっても急に布団を変えてしまうと夜の間にはねのけてしまいかねないので、薄物を重ねるなどの工夫がおすすめ。
寒くなったらすぐに重ねられるよう、枕元に畳んでおくといいですね。
夏は身体の熱をある程度発散しつつ、冷え性対策を心がける必要がありました。
しかし、寒気へ傾いていく中間期には惰性のように同じ習慣を続けていては、身体へのダメージを大きくしてしまうだけです。
自分の身体とよく話し合って、気温の変化や日照時間の変化についていくようにしてください。
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ライタープロフィール
円谷ミナミ
基本的に斜めの姿勢で世の中を見つめるフリーライター。
性的思考はボーダーレス。ただし多少女性に甘い。
自分のキュアリは?(女性としての内面磨き)(沈思黙考・無言実行)
”秘すれば華”を人生を通して実現する方法を模索している。
乙女の窓辺~女性にまつわる、うわさの検証~の四コマ連載中