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ココナッツオイルの基本情報:成分と注意点について

ココナッツオイルの基本情報:成分と注意点について

女性の美容や健康に良いとして人気が定着した「ココナッツオイル」を、食べたり塗ったりと活用している女性は多いと思います。
有名な女性モデル、タレントの愛用者もよく知られているので、実際にうれしい効果が期待できるのだろうという信頼感があるのでしょう。

しかし、改めて考えると少し不思議です。
体に良いとは言っても、ココナッツオイルだってやはり油です。
油脂は非常にカロリーが高く身体に定着しやすいので、摂取しすぎると肥満や脂質異常症、ひいては動脈硬化からの血管障害に及ぶ可能性があります。

そのため理想的な栄養バランスのために脂質摂取量には1日あたりの分量が定められており、1日の総カロリー数2000kcalが必要な場合は20から30%の55gまで。
1500kcalならば50gまでです。

それにも関わらず、ココナッツオイルは食べたほうが身体にいいとして摂取が推奨されています。
理由となる成分にはどんなものがあるのでしょうか?

ココナッツオイルの成分について

ココナッツオイルの成分について

処理の仕方で成分が変わる

ココナッツオイルの製造方法には2種類あります。一つは加熱殺菌処理を経て精製されたもの、もう一つは低温圧搾による無精製のものです。

前者は加熱殺菌処理から安定化を経てほとんどの有効成分が長鎖脂肪酸に還元され、成人病などの重大疾患の原因になることが分かっています。
これに対して低温圧搾による無精製のココナッツオイルは本来の脂肪酸構造が失われていないので、他の大部分の油脂とはまったく異なる効能を持つのです。

また、低温処理の場合はビタミンE、ビタミンKも多少含んでいます。ビタミンEは血行改善や細胞の再生に、ビタミンKは内臓機能や骨形成促進に役立つ成分なので、日ごろから不足している方には貴重な摂取源となるでしょう。

2種類のココナッツオイルは、たとえ原料は同じであっても健康に対する影響が正反対であるため、健康に有益である無精製ココナッツオイルだけを特別に「バージンココナッツオイル」と呼んで区別します。

バージンココナッツオイルの成分

現在では多くの健康や美容関連の企業がバージンココナッツオイルを輸入販売しています。
製造者もさまざまなため、すべての製品に共通する成分表示はあり得ません。

そこで、一例としての成分表をご紹介したいと思います。
分析を担当したのはインドネシアの機関「Center for Agro-Based Industry, Ministry of Industry」です。

脂質:99.9%
熱量:899kcal/100g
水分:0.1%
ナトリウム:0.97㎎/100g
ラウリン酸としての遊離脂肪酸:0.18%

0.1%の水分と残り99.9%の脂質がバージンココナッツオイルの正体なのです。
それでもバージンココナッツオイルが健康や美容に対して優れた効果を発揮するとされるのは、この脂質(脂肪酸)の組成が由来となっています。

脂肪酸組成

過酸化物価:0
トランス脂肪酸:0
カプリル酸:2.59%
カプリン酸:8.25%
ラウリン酸:54.1%
ミリスチン酸:17.2%
パルミチン酸:8.13%
ステアリン酸:2.49%
オレイン酸:5.8%
リノール酸:1.26%
α-リノレン酸:0

一般的な油脂に含まれる脂肪酸は長鎖脂肪酸で、吸収および分解の速度が遅く、身体に定着しやすいのです。
これが肥満や動脈硬化の原因となります。

一方、バージンココナッツオイルの主成分である脂肪酸は中鎖脂肪酸であり、口腔粘膜や消化管からの吸収も素早く行われ、かつ優先的に消費され、分解されるので、体脂肪としてほぼ残りません。

それどころか、吸収されてから消費されるまでの短期間に、前もって体脂肪として蓄積していた長鎖脂肪酸をも一緒にエネルギーへ変換してくれるそうです。
バージンココナッツオイルの場合、脂肪酸組成の約60%が中鎖脂肪酸で構成されています。
その半分以上を占めるラウリン酸は母乳にも含まれる貴重な成分であり、人体に用いれば活性酸素からの防御、抗菌作用などの効果でトラブルから守ってくれるでしょう。

また、バージンココナッツオイルの低温圧搾製法ならではの成分として、微量ではありますがビタミンE、ビタミンKが含まれることも判っています。
ビタミンEは血行改善に重要な成分ですので、血行不良、冷え症にお悩みの女性には非常に有用なアイテムとなるはず。
肌荒れ、便秘、代謝不良、ホルモンバランス失調、冷え症など、気になる諸症状の改善のために、ぜひ試してみてください。

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ライタープロフィール

円谷円谷ミナミ
基本的に斜めの姿勢で世の中を見つめるフリーライター。
性的思考はボーダーレス。ただし多少女性に甘い。
自分のキュアリは?(女性としての内面磨き)(沈思黙考・無言実行)
”秘すれば華”を人生を通して実現する方法を模索している。
乙女の窓辺~女性にまつわる、うわさの検証~の四コマ連載中