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下腹部が痛い。その時何が起こっているのか ③婦人科以外の病気

下腹部が痛い。その時何が起こっているのか③婦人科以外の病気

男性と違って、女性の場合には下腹部の痛みに対して無条件に恐怖を覚えることがあるのではないでしょうか。
特に毎月月経障害としての痛みを抱えている方にその傾向が強いように思います。

しかし、子宮や卵巣などが骨盤内にあるからと言って、下腹部の痛みがすべて婦人科系に由来するとは限りません。
婦人科系以外にどのような病気、症状によって下腹部の痛みが引き起こされ得るのかご紹介します。

下腹部に痛みが起こる婦人科系以外の病気.1

下腹部が痛い。その時何が起こっているのか③婦人科以外の病気

膀胱炎

膀胱が細菌感染によって炎症を起こし、急激に硬縮して刺激され、痛みが現れます。
排尿の後半および終了後に痛みが強くなるのが特徴です。

下腹部や尿道口に特に強い痛みが起こり、尿中に白濁や血が混ざることがあります。
尿の中での細菌の増殖によって膀胱内で炎症が浸潤すると、膀胱の粘膜が剥がれ落ちるためです。

体力低下時に身体を冷やしたりすると発症しやすくなるので注意して下さい。
いちど発症すると繰り返す傾向があります。

腹壁の炎症

腹壁、つまり腹膜に炎症が起こる症状を総称して「腹膜炎」と呼びます。
婦人科系疾患が進行して腹膜炎が起こり、痛みを発露する場合もありますが、急激に腹膜に炎症が起こる急性腹膜炎の症例も多いようです。

腹腔内は本来外部と遮断された無菌状態にあります。
ここに何らかの外部からの刺激が入り込んだ時に炎症が起こるのですが、腹膜全体に痛みが現れるものを「急性汎発性腹膜炎」局所的に膿瘍を形成する限定的なものを「限局性腹膜炎」と呼びます。

原因は細菌因子と化学因子に分けられます。
細菌因子の場合は虫垂炎や胆のう炎、膵炎などの急性症状からの浸潤で起こり、化学因子の場合は何らかの外傷や、他臓器疾患から腸間膜などに穿孔が起こり、消化液が漏れ出して炎症を起こすのです。

消化肝疾患から腹膜炎を併発した状態はかなり重篤であると思っていいでしょう。
細菌因子による腹膜炎の症例は虫垂炎を由来とするものが最も多いと言います。

ヘルニア

ヘルニアの関連痛として下腹部痛が起こることがあります。
病変部位が脊椎の上部であっても、遠隔部位である下腹部に痛みが出るケースは少なくありません。

脊椎の病変であるヘルニアは脊椎関節のどこで起こっても不思議はないのです。
脊椎上部、中部、下部のいずれでも発症します。

腰部およびそれ以下の脊椎関節でヘルニアが起これば、骨盤が歪んで下腹部まで変形が進行する可能性もあるでしょう。

ヘルニアによる腹痛は、腹部中央よりも脇腹にかけて強くなる傾向があります。
手足のしびれや麻痺、背中、腰部の痛みも重要なサインですが、坐骨神経付近にヘルニアが起こった場合には腹部の痛みの方が分かりやすいようです。

左右尿管炎

尿路をさかのぼって細菌、ウィルス、真菌などによる感染症をおこし、炎症症状が強い時に腹痛を伴います。
頻尿、尿意切迫、排尿障害及び下腹部痛がサインです。

尿管炎の場合もまた、腹部中央よりも左右の脇腹よりに痛みが現れます。
炎症が慢性化すると周囲に異常が浸潤して行きますので、もしも痛みに気付いた時には早急に治療を開始して下さい。

腎疾患

腎臓に尿路などからの細菌感染及び炎症が進行した場合、あるいは、何らかの病変によって腎臓の炎症が起こった場合、全身性の症状が現れる可能性が高いでしょう。

そのひとつとして下腹部痛が見られることがあります。
敗血症から命の危険にさらされるおそれもあります。

症状が認められれば抗生物質による治療を行わなければなりません。
膀胱炎から進行して腎炎に至るケースが多いので、特に体力が低下している高齢者には注意が必要です。

腸炎

腸内で炎症が起こると、下腹部の張り、痛みなどが現れます。
原因によって細菌性腸炎、薬剤性腸炎に分けられます。

傷んだ食品を食べた時などに起こる細菌性腸炎が急性腸炎の症状としては一般的ですが、病気治療のための薬剤の影響で腸炎が出るケースも少なくありません。

細菌性の感染症の場合には原因物質を排除するまで痛みが続くでしょう。

ヒステリー

強烈な精神的ストレスの影響によって下腹部痛が現れる事もあります。
ストレスは内臓機能を低下させたり炎症を起こしたりといった具体的な症状にも繋がる要素ですので、病変があろうとなかろうと痛みに転じる可能性はある、と覚えておきましょう。
ストレス性の痛みを放置すればがんなどの重篤な病気に進展するかもしれません。

S字結腸の疾患

便秘による左下腹部痛は良くあるケースです。

しかし、そこには腸の疾患が隠れている場合があるので便秘だと侮らないようにしましょう。
S字結腸に炎症がある時にも下腹部痛が起こります。

病名は「大腸憩室炎」「S状結腸軸捻転」など。
軸捻転の場合は腸が閉塞していますので、排出すべきガス、便が完全に停止して腹部が膨満します。

他には「急性結腸直腸炎」などがありますが、こちらは結腸に炎症が留まる点が特徴です。

結石

尿管に結石が出来ると、下腹部の痛みに繋がります。
腹部中央ではなく、これもやはり結石が出来た側の脇腹に痛みが偏ることが特徴と言えるでしょう。

潰瘍性大腸炎

大腸内部の粘膜に炎症性のびらん、潰瘍が起こる病気です。
直腸から開口部へ連続して炎症が進行し、直腸内部に炎症がとどまらずに結腸まで広がることもあります。

潰瘍が悪化すると腹痛、下痢だけでなく下血を伴うようになるでしょう。
下血が起こる前には便の色が変わるので、痛みを感じたらよく観察するようにして下さい。

脾臓障害

脾臓が炎症や肥大を起こした時にはなかなか症状の自覚には至りません。
進行したサインとして、左上の腹部及び背中に膨張感を覚えるようになるでしょう。

ただし、特異的な例として遊走脾臓捻転などが起こった場合には下腹部に痛みが発露することがあります。

腫瘍

臓器や骨組織に発生する腫瘍が痛みを起こすことがあります。
腫瘍の組織が良性であっても増殖速度が速く、治療が必要になるタイプもあるので注意して下さい。

また、良性から悪性に転じることが多いので、もしも発見した腫瘍が切除可能な場合には手術をすすめられるケースもあるはずです。

悪性に変化した腫瘍はリンパ液や血液循環を通じて全身に転移して行きます。
また、同時に接している周辺組織にも浸潤して行くので、がんに対してはとにかく早期発見および治療が大切なのです。

キュアリでここまでにご紹介した病気以外にも、下腹部に痛みをもたらす要因はあるでしょう。
そのすべてを網羅することは難しいと言わざるを得ません。

病気の専門家である医師ですら、起こり得るすべての障害、病気を完全に把握している人はいないのですから。

しかし、世の中にどんな疾患があるのか知っておく必要はあると考えます。
病気を恐れるあまりに人生に影を投じるようでは本末転倒ですが、適度な警戒は常に維持するようにして下さい。

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ライタープロフィール

円谷円谷ミナミ
基本的に斜めの姿勢で世の中を見つめるフリーライター。
性的思考はボーダーレス。ただし多少女性に甘い。
自分のキュアリは?(女性としての内面磨き)(沈思黙考・無言実行)
”秘すれば華”を人生を通して実現する方法を模索している。
乙女の窓辺~女性にまつわる、うわさの検証~の四コマ連載中