子宮の位置、角度には個人差がある?
こんにちは、ライターの佐原です。
女性器は時に「宇宙」「神秘」などと謎の存在のように扱われることがありますが、それもそのはず。
女性自身でさえ、女性器について実は詳しく知らない、という人は多いのです。
保健体育の授業などで「子宮はこのあたりにあってこんな形をしていて……」と習ったことのある人は多いかと思いますが、必ずしもあれと全く同じであるとは言い切れません。
女性器にだって、個性や個人差があるのです。
子宮後屈とは
子宮は通常、骨盤の間でやや前傾するように浮いた形をしているのですが、人によっては、これがそっくりかえったように、後ろに傾いている場合があります。
このうしろにひっくり返ったような形は「子宮後屈」と呼ばれています。
前傾しているだけでなく、前側に曲がったようになっている場合は「子宮前屈」と呼ばれています。
いずれにしても、基本的には心配は必要ありませんが、後屈のせいで月経痛がひどかったり、腰痛・おりものの量の多さ・便秘になりやすかったりといった症状が出ることがあります。
それがあまりにもひどい場合には、手術が行われることもあるそうです。
病的な子宮後屈とは
このような自然に発生した子宮後屈ではなく、たとえば骨盤腹膜炎や、子宮内膜症などによって引き起こされたものである場合ですと、子宮が他の器官(腸など)と癒着してしまっている場合があります。
あらわれる症状は、非常に重い下腹部痛・腰痛や、おりもの量の増加などがあります。
その場合には、投薬治療や、ひどいケースでは手術が行われることもあります。
宮の位置が違っているケースとは
上述したものの他にも、たとえば立ち仕事ばかりをしてきた初老近くの女性や、出産回数の多い人、ごく高齢出産だった人などにも、子宮の位置が通常と違ってしまう、といったケースが発生することがあります。
子宮下垂や、子宮脱などです。
「子宮下垂」は、子宮の位置が下がってしまい、膣の入り口近くまで降りてきてしまいそこで止まっているといった状態になることを言います。
「子宮脱」は、子宮下垂のさらに一歩先、子宮が外に出てしまっている状態のことです。
いずれにしても原因は、子宮周りの筋肉や靭帯にあります。
子宮を支えるべき筋肉や靭帯が極度に弱まってしまうことで、子宮を支えられなくなってしまうのです。
子宮の位置や角度には、これらの特徴的なもの以外にも、個性・個人差があるのが普通です。
あまり深刻に考えすぎてしまう必要はありません。
けれど、重い月経痛がある、腹痛がひどい、お腹がはりやすい、おりものの量が多すぎるなど、もし不安を感じることがあれば、ぜひ産婦人科を受診してみることをおすすめします。
子宮の位置・角度の問題でなかったとしても、何かしらの疾患・原因が見つかることもあるでしょう。
子宮の状態は、目に見える怪我とは違い、なかなかケアすることの難しいものです。
不安を感じたら、しっかり専門家をたよれるようにしたいですね。
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ライタープロフィール
佐原チハル
性に関わるユースワーカーを経てフリーライターに。
ノンセクシュアルでXジェンダー。ハニーと二人三脚で子育てに奮闘中。
自分のキュアリは?(女性としての内面磨き)大好きなBL妄想で、日々腐女子力に磨きをかけている。