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減少する産婦人科……不妊治療クリニックは増えているけれど、大丈夫?

減少する産婦人科……不妊治療クリニックは増えているけれど、大丈夫?

こんにちは、佐原チハルです。「不妊」という言葉が一般的に聞かれるようになり、「不妊治療」を意識する人たちが増えてきました。
その前段階であることが多い「妊活」をしている最中の人や、そうした人が知人にいる……という人もまた、増えてきていることかと思います。
一方で、産婦人科は減ってきている、というニュースがあります。
このアンバランスな状況、私たちが困ってしまうような事態が起こることはないのでしょうか。

1、産婦人科の減少は25年連続!

産婦人科の数が減っている、というニュース。
近年では毎年耳にするようになりましたが、実は産婦人科の減少、最近始まったものではないのです。

厚生労働省の「2015年医療施設調査」によると、2015年の10月1日時点で、産婦人科の数が“25年連続で減少”していることがわかっているそうです。
病院数は、全体で見ても“微減”しているのですが、産婦人科の減少は特に目立っていて、前年比で17減だそうです。

なお小児科の減少もまた目を引くもので、こちらは前年比で15減なのだそう。これらの原因は、少子化や、産婦人科・小児科医師の、就業環境の劣悪さにあると言われています。

「産科を掲げている病院」は9施設ほど増えているそうですが、「産科医の数が減っている」ニュースもよく聞きますし、「妊娠中の検査などはできるけど、出産自体は他の大病院に行かなければできない」環境にあるという妊婦さんの話も多々聞きます。
「妊娠がわかった時点でその病院で分娩予約をしないと、すぐにうまってしまって、産める場所がなくなってしまう」というような声を聞くことも。
こうした問題は“地域差が大きい”そうですが、なかなか他人事とも思えません。

2、日本の不妊治療クリニックの数は、なんと世界1位!

一方で、日本はもはや“不妊治療大国”と呼べる状態になっています。不妊治療クリニックの数は、なんと世界で1位なのだそうです。
日本の不妊治療クリニックの数はおおよそ600。2位のアメリカは400件台ですから、大きな差があると言っていいでしょう。

実は筆者の近所でも、最近、不妊治療クリニックを設立したり、不妊治療部門を拡大したりする病院が増えてきています。
うち一つは、その病院で働いている、不妊症のスタッフさんたち自身の声によって立ち上げられたものでした。不妊治療へのニーズの高まりが実感できます。
当然、不妊治療や不妊症の検査を受けたことがある夫婦の割合も増えています。

日本産科婦人科学会のまとめによると、2014年の治療件数は、過去最多の393745件。
体外受精を受けて生まれた子どもの数も過去最多で、47322人だそうです。新生児のうち、約21人に1人が体外受精で誕生していることになります。

少子化を解消すべく、現代では不妊治療に際し、国や自治体も助成を行っていますよね。
今はまだ不妊への偏見も根強くありますが、今後はもっと一般的になっていくのかもしれません。

3、このアンバランスさ、問題はないの?

このアンバランスさ、問題はないの?

残念ながら、問題は山積みです。
現状の日本では、たとえば不妊治療によって妊娠できても、産科の減少のせいで“産む場所”への不安がつきまといます。

また、産んだあとも保育所不足のため“仕事が続けられない→育てられない”事態が引き起こされてしまう心配もあります。近くに小児科がなければ、妊娠後に引っ越しを検討しなければならないかもしれません。

そもそも、現在の少子化・不妊の原因として言われることの増えている“社会性不妊(卵子の老化による不妊)”は、産みたい気持ちがあっても、産み育てるための環境が社会の側にないため「産む選択ができない」ことによって起こっている側面が強いです。
不妊治療できるクリニックが増えていることも、産科・小児科が減少していることも、原因はどちらも“社会性不妊”“少子化”にあると言えるかもしれません。

不妊症のクリニックが増えているのは、不安を抱えていたり治療を望んでいたりする人たちにとっては、とても助かりますよね。けれど不妊治療ののち、安心して出産するためには、クリアしなければならない点もまだまだ少なくなさそうです。
不妊治療も、妊娠も、出産も、育児も、はやく当たり前に安心して行えるようになるといいですね。

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ライタープロフィール

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佐原チハル
性に関わるユースワーカーを経てフリーライターに。
ノンセクシュアルでXジェンダー。ハニーと二人三脚で子育てに奮闘中。
自分のキュアリは?(女性としての内面磨き)大好きなBL妄想で、日々腐女子力に磨きをかけている。