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体外受精(IVF)で「乳がんリスク」上昇!? 実は影響がなかったとメディアが報道

・体外受精(IVF)で乳がんリスクが高まるという説の検証
・オランダで実際に治療を受けている女性を調査したところ、この説は否定へ
・体外受精(IVF)を受けた女性2万人にがん発症率上昇は見られなかった

体外受精(IVF)で「乳がんリスク」上昇!? 実は影響がなかったとメディアが報道

不妊治療は最初のステップが「タイミング法」で、その次が「人工授精」となり、ここまでは一般不妊治療の範囲内です。
しかし、次のステップ「体外受精」は一般不妊治療に対して高度生殖医療と呼ばれる高度な内容になります。
通常これは「生殖補助医療(ART)」と呼ばれ国の助成制度の対象になりますが、この中でもさらに段階があり、ステップが上がるほど困難は大きくなっていくでしょう。

治療に伴う「困難」のひとつ。
広く懸念されてきた要素が「体外治療」の副産物としての乳がんリスク上昇でした。

調査を行った「オランダがん研究所」などによる結論

調査を行った「オランダがん研究所」などによる結論

1983年から1995年に体外受精(IVF)とそれ以外の不妊治療を受けたオランダ人女性約2万5千人を治療施設の情報から追跡し、不妊治療を受けなかった女性の乳がん発症率と比較してみたところ、両者には差が確認されなかったとのこと。

前者の乳がん発症率は2.9%で。後者は3%。むしろ厳密には不妊治療を受けなかった女性の方が、微妙にリスクが高いくらいかもしれませんね。
卵巣を刺激するホルモン剤の使用はかつて想像されたような影響を残さなかったのだと分かりました。

女性ホルモンの値が高いと乳がんリスクは高くなる……

女性ホルモンの血中濃度が高いほど乳がんの発生リスクが高くなり、進行も早くなると言われています。
これは、乳がんのがん細胞がエストロゲンレセプターを持っているためです。
だからこそ不妊治療は乳がんリスクを高めるとされてきたのですが、追跡期間20年を経ても体外受精の影響と見られる乳がんの発生は確認できなかったのだとか。

不妊治療同様にホルモン充填療法が実施される症状に、閉経後の女性の更年期障害があります。
こちらも不自然に女性ホルモンを投与する副作用が危険視されていましたが、今回の調査結果を鑑みると、もしかしたら更年期障害のホルモン充填療法についても乳がんへの影響はないのかもしれない。
そう思えてくるのではないでしょうか。

しかし、対象年齢が上がれば考慮すべき要素もことごとく変わってきます。
もともと閉経後の女性はがんになりやすいですから、本当に発生機序に関与していないのかどうか確認するのは難しそうです。

誰もが「進歩した」「最先端だ」と思っていた医療界の「常識」は、これからもどんどん覆っていくはず。
つまりは今回の調査結果も覆るかもしれないわけで、不妊治療から20年間がんにならなかった女性も、今後10年、20年と進めばわかりませんよね。
そうであるならば今判断すべきは「乳がんリスクが高くなるかどうか」ではないのかも。

リスクを負ってでも子どもを望むかどうか。
リスクを負ってでも改善したい症状があるかどうか。
これに尽きるでしょう。
日本人女性の乳がん罹患率は30代から40代でピークを迎えます。
決断はひとりの中で完結せずに、ぜひ大事に思う人々と話し合って決めるようにしてください。

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ライタープロフィール

円谷円谷ミナミ
基本的に斜めの姿勢で世の中を見つめるフリーライター。
性的思考はボーダーレス。ただし多少女性に甘い。
自分のキュアリは?(女性としての内面磨き)(沈思黙考・無言実行)
”秘すれば華”を人生を通して実現する方法を模索している。
乙女の窓辺~女性にまつわる、うわさの検証~の四コマ連載中