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孤独な闘い。不妊治療の痛みを乗り越えて……

孤独な闘い。不妊治療の痛みを乗り越えて……

不妊治療の中で、体外受精や顕微授精は特に生殖補助医療として高度な技術を用います。
これが需要を伸ばしているのは日本だけではなく、世界的な傾向です。
フランスでは保険適用の範囲に含まれるほど。

日本産科婦人科学会によると、体外受精と顕微授精を合計した登録治療件数は30万件を超えているのだとか。
データブックより、2013年の登録治療数と治療による累積出生数を引用します。

2013年累積数
・累積出生児数:合計384,304人
2013年年間実績
・治療周期総数:合計368,764件
・出生児数:42,554人

※参照:公益社団法人日本産科婦人科学会 登録・調査小委員会
https://plaza.umin.ac.jp/~jsog-art/)より
http://fa.kyorin.co.jp/jsog/readPDF.php?file=67/9/067092077.pdf

厚生労働省人口動態調査2013年を見ると、「合計出生数:1029,816人」とあります。
102万9千816人。この中の4万2千554人が生殖補助医療、つまり、厚生労働省の定める「特定不妊治療」によって生まれた子どもたちなのです。

割合で言えばおよそ0.04%。25分の1の確率で、いわゆる試験管ベビーに該当することになります。
2010年時点で30分の1強が不妊治療による出生時であるとされていましたから、年を追うごとに生殖補助医療が順調に実績を挙げてきたと言えるでしょう。

現状、不妊治療を必要とする夫婦は10組にひと組、あるいは7組、6組にひと組とも言われています。
しかしながら、必要だと感じる夫婦のすべてが不妊治療を受けるわけではありません。

※参照:厚生労働省人口動態統計2013年
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei13/

不妊治療は痛みとの孤独な闘い……大きな壁が立ちはだかる

不妊治療は痛みとの孤独な闘い……大きな壁が立ちはだかる

妊活は不妊治療を含む大きな領域を示す言葉ですが、「スロー妊活」や「ゆる妊活」に意気込みを見せる女性は多くとも、特定不妊治療にいざ取り組もうとすると、尻込みする方が少なくありません。
その大きな要因は費用の問題、治療の成功率、難易度、そして、予想される「痛み」など。

費用や、絶対の成功を保証するものではないということ、年齢とともに難易度が上がることなどはよく知られているはず。しかし、痛みについては事前の覚悟は難しいのです。

実際に治療を始めてから痛みを体験し、想像を超える辛さに治療を断念するケースも。
不妊治療で、特に痛みが強いとされるものが以下の4種類です。

女性の検査と治療
1・子宮卵管造影検査
2・筋肉注射
3・採卵
男性の治療
4・TESE(精巣精子回収術)

女性の子宮に器具を差し込む痛みや、男性の精巣にまで針を通す痛みは、筆舌に尽くしがたいもの。本来は人の手に触れない内部器官ですから、表層的な痛みとはわけが違います。

これらの検査や治療に痛みを感じない方もいるそうですが、それはごくごくまれな体質なのだと認識してください。

鈍い生理痛のような痛みレベルと感じる女性もいるようです。
しかし、麻酔を受けてもなお身動きが取れないほどの苦しみを味わったという女性もいます。

すべての痛みを乗り越えて……体外受精で生まれた子どもたち

不妊治療には精神的、肉体的、経済的に大きな困難が伴います。
言葉にできないほどの痛み。苦しみ。その壁を前にしてくじけてしまうカップルも多いのです。

そんな中、数えきれない痛みを乗り越えて出産にこぎつけた女性が世界に発信したメッセージが注目を集めました。
2015年10月5日のフェイスブックの投稿より引用されて、こちらの記事で紹介された写真が評判になったことがきっかけです。

記事・ハフィントンポスト
http://www.huffingtonpost.jp/2015/10/11/mum-newborn-ivf-syringes-sher-institutes_n_8275858.html

無数の使用済み注射器で赤ちゃんを囲むハートを描いた作品。

投稿主は複数回の体外受精を体験したと言う女性。写真で赤ちゃんを囲んでいるのは、彼女が受けた注射のごく一部だそうです。
同様の痛みのすべてを乗り越えた別の母親が、この写真にコメントを寄せました。
「すべての注射には、それだけの価値がありました。2月に出産予定です」と。

彼女の投稿写真は、不妊治療を提供するクリニック側、治療中の女性たち、これから治療に臨む女性たちに対する大きなエールとなったのです。
痛みにひるみそうになる女性。
痛みに共感する女性たちに感動を与えた写真。
これを通じて、誰もが治療の困難さを感じ取ることができるでしょう。

不妊治療を可能にした高度先進医療は、確かに人類に光をもたらしました。
不妊症に悩む男女にはかけがえのない存在です。
それは間違いありません。

ただ、どんな夢のような技術にも必ずリスクがあって、利用しようとするならば希望と引き換えに覚悟が必要であること。
苦しみを上回る喜びが待ち受けている可能性がある反面、すべてが報われずに絶望を味わう可能性があること。

不妊症の治療は、これら双方を認識したうえで検討する必要があるのです。
どうしても子どもが欲しい。
そう思える方は、いつまで治療を続けるか。どこまで費用をかけるか。夫婦で話し合って、不妊治療に臨むことをおすすめします。

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ライタープロフィール

円谷円谷ミナミ
基本的に斜めの姿勢で世の中を見つめるフリーライター。
性的思考はボーダーレス。ただし多少女性に甘い。
自分のキュアリは?(女性としての内面磨き)(沈思黙考・無言実行)
”秘すれば華”を人生を通して実現する方法を模索している。
乙女の窓辺~女性にまつわる、うわさの検証~の四コマ連載中