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妊活・不妊治療離婚を防ぐ「観念」の話

妊活・不妊治療離婚を防ぐ「観念」の話

夫婦で子どもを作ろうと決めて不妊治療に取り組んだ結果、意欲や姿勢の落差が関係性に溝を作り、離婚に至るケースがあります。
そうした場合には治療が成果を挙げる可能性は薄く、子どもができるどころか夫婦の未来すら失うことになりかねません。
医療機関で受療する不妊治療でなく、自力で出来る範囲内で行う妊活でも同様の事態が起こっているそうです。

夫婦で幸せになりたい。
そう願って始める妊活・不妊治療で、どうしてそのような事態に陥るのでしょうか。

妊活と不妊治療、プレッシャーに押しつぶされる女性たち

妊活や不妊治療は一人ではできません。
夫と妻、2人で足並みをそろえ、ようやく実りを迎えます。

近年では7組に1組、あるいは6組に1組の割合で不妊に悩むカップルがいると言われ、妊活をしたことがある女性、日ごろから妊活を意識している女性がすっかり増えました。

一般向けの調査では、20代以上の女性全体の10.3%が妊活を経験しているそうです。
50代、60代の女性たちが若かったころは情報を取得する手段が限られていて、不妊治療も妊活もあまり知られていませんでした。
50代女性の妊活経験割合はわずか4.4%で、60代に至っては2.2%に過ぎません。

つまり、妊活を経験した女性10.3%という数字は、それだけ20代から40代、とりわけ30代女性が妊活の必要に迫られている現状を物語っています。

また別の調査結果によると、「妊娠しやすい体づくりを意識して生活している」女性の割合は16%でした。
対象は年齢を特定しない女性200人の回答には「冷えに用心する」という意見が目立ちます。

「冷たいものを食べない」
「靴下を重ねる」
「ヨガなどをしている」
「体を温める栄養素を摂る」
「漢方薬を飲んでいる」

などのほか、生活習慣やストレスケアの面からのアプローチもありました。
子どもを妊娠し、出産するには年齢限界がどうしても付きまといます。

女性は自分自身の身体のことですから、20代の終盤以降は常に時間との競争です。
仕事をしながらも将来を計画し、同時に体を整えなければなりません。

20代の終わりから30代の中盤は社会の中で最も負担が大きな働き手でもあります。
「女性は産む性」であるという視線と、男性と同等、あるいは男性以上のパフォーマンスを見せなければならないというプレッシャー。

その板挟みから「社会性不妊」になってしまう女性も多く、「今しかない」と不妊治療や妊活にまい進する妻、その実感を得られない夫の間に落差が現れるのは当然だと言えるでしょう。

妻の立場からしてみれば、なぜ夫が治療に興味を示してくれないのか。
自分がこれほど頑張っているのに、どうして一緒になって努力してくれないのか。
追い詰められれば追い詰められるほど夫の姿勢がのんきで楽天的に見え、不安と不満が入り混じって怒りに転じてしまうという流れです。

逆に夫側から見ると、何をそんなに思い詰めているのかわからない。
できないならできないで夫婦二人で生活すればいい。
必ずしも子どもができなくてもかまわない。

妻の気が済むようにしてやろう、そうした見守る立場で治療や妊活を始めるのに、次第に意思の疎通すらおぼつかなくなって愛情が醒め、ついには結婚の継続すらどうでもよくなってしまうというわけです。

もちろん妊活や不妊治療を要因とする離婚に定型はありません。
必ずそれぞれの理由があって、状況もさまざまでしょう。
ですが、こうした夫婦間の意識の落差が離婚の原因であることは明らかだと思われます。

相手を変えることは難しい……哲学者に学ぶ「真の意思疎通」

相手を変えることは難しい……哲学者に学ぶ「真の意思疎通」

どんなに親しい間柄でも他人は他人。
家族であってすら真の理解には程遠いものです。

かつてユダヤ人でありながら、アラブとイスラエルの両民族から敬慕された“平和の哲学者”、マルティン・ブーバー(1878―1965)はこう言いました。

「真理をつかむには、権威ではなく魂の声に従え。真理を伝えるには、単純素朴な事実のみを語れ」

「観察のまなざしは冷たく、見つめるまなざしは暖かい。見つめ合う関係の中で人間の魂は癒されていく」

男性と女性は身体構造も機能も異なります。
その両者が真に相互理解を成立させるには、“分かるだろう”という甘えに基づいた言葉では足りません。

事実を淡々と積み上げることで、共通した現状理解をまずは目指しましょう。
それが意思疎通の第一歩です。
冷静に物事を観察し、認識を育てる。
感情もまた重要な要素ではありますが、感情が先立てば、共通認識はまず成立しないと心得ましょう。

ブーバーは20世紀最高の哲学者と称えられています。
ぜひ先人の声に耳を傾け、目の前の相手と自分を見つめ直してみてください。

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ライタープロフィール

円谷円谷ミナミ
基本的に斜めの姿勢で世の中を見つめるフリーライター。
性的思考はボーダーレス。ただし多少女性に甘い。
自分のキュアリは?(女性としての内面磨き)(沈思黙考・無言実行)
”秘すれば華”を人生を通して実現する方法を模索している。
乙女の窓辺~女性にまつわる、うわさの検証~の四コマ連載中