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卵子凍結保存:成功率はどのくらい? 年齢リミットは何才?

卵子凍結保存:成功率はどのくらい? 年齢リミットは何才?

卵子凍結保存はもともと、化学療法など体に大きな負担がかかる治療を開始する前の若いガン患者のような、若くして大病を患ってしまった人のために、将来子供を授かる可能性を残してあげることを目的として開発された技術でした。

それがいまでは、生殖細胞への影響を心配しなくてはいけない危惧する疾患は無いのに卵子の冷凍保存を望む女性の利用が増え、結婚や妊娠・出産は先延ばしにしたいけど卵子の老化も気になる、という女性からのニーズが大きくなってきています。

このように、卵子凍結保存がだんだんと一般的に認知されていくなかで、凍結保存した卵子での妊娠成功率が高ければ利用してみたいと密かに思っている人も多いと思いますが、実際のところ、成功率はどれくらいなのでしょうか。

卵子の凍結保存を行う場合、方法が2種類あるのですが、体外受精後の受精卵を冷凍保存する場合と、未受精卵を冷凍保存する場合とでは、成功率がまったく違います。
具体的には、受精卵は約20%の成功率が見込めるのに対し、未受精卵の場合は5~10%と、格段に成功率が下がってしまうのです。

卵子凍結保存:成功率はどのくらい? 年齢リミットは何才?

現在、卵子冷凍保存を利用したい女性の多くは、今は相手がいないけれど将来子供を産むことを考えて、というケースであることがほとんどで、受精卵を準備できる人は稀です。
その場合には、未受精卵を冷凍保存することになり、低い成功率に甘んじるしかないのが現状なのです。
卵子を冷凍&解凍しても卵子の受精能力は約90%と高く保たれるという事実があるのに、なぜ未受精卵の場合にはそんなに成功率が低いのか、気になるところですよね。

それは、そもそも卵子を凍結する際に、その卵子が受精可能な卵子なのかを調べる手段がまだ無いので、それがネックになっているということのようです。
現状では、高額の費用をかけて冷凍保存した卵子が、実は最初の段階から無益な代物だった、なんて悲しいことも多々ある、ということのようですね。

卵子凍結保存については、まだまだ卵子凍結保存についてのサンプル数が少ないこともあって、解明されていないことの方が多く、成功率などもはっきりとした公式な数値としてはまだ出ていないようです。

ただ、世界的には1,000例以上の出産報告が上がっているようで、今後益々この分野での技術革新がなされて利用者数が増え、出産例が増えてくれば、成功率なども明示されるようになってくるのではないでしょうか。

卵子凍結保存:成功率はどのくらい? 年齢リミットは何才?

次に、卵子凍結保存を利用する上で、上限になる年齢というのも気になるところですが、だいたい何歳くらいまでに行うのが現実的と考えられているのでしょうか。
そこでまず考えないといけないのが、卵子の老化についてです。
年齢を重ねるにつれて卵子も年をとるというのは、いくら否定したくとも、紛れもない事実です。

30才過ぎると卵子にも老化現象が見られるようになり、30代にかけてそれが進行し、40才では卵子の老化がいっきに加速します。
そのようなこともあり、医療の現場では、凍結保存が有効なのは35歳未満、不可能に限りなく近くなるのが45歳とされていることが多いようです。

つまり、45歳リミット説が濃厚ということですね。
卵子凍結の実際の利用者は、圧倒的に30代後半から40代にかけての女性が多く、理想とされる35歳未満を超えているので、卵子凍結保存でなかなか妊娠に至らないことが容易に想像できます。

ただ、35歳を過ぎると卵子凍結は無効かというと、そう断定してしまうこともできなくて、35歳オーバーの人でも、より多くの卵子を凍結保存することが可能であるならば、可能性はゼロではないようです。
ですが逆に言ってしまうと、年齢を重ねれば重ねるほど、凍結卵が少なければ不利になるということですね。

たとえば、東京都渋谷区・はらメディカルクリニックの原院長によると、40代前半の人で40~50個、30代後半なら20個以上の卵子がなければ、未授精凍結卵による妊娠率は非常に低いのだそうです。

それだけ聞くと、多くの凍結卵を確保できさえすれば高齢での出産も可能だと早合点してしまう人もいそうですが、実際問題、卵子凍結は体外受精と同じくらい高額の費用が必要で、高い病院では100万円ほどかかるようです。

また、卵子凍結自体にかかる費用の他にも、凍結卵の保管料が卵一個につき1~2万円前後毎年発生してきますので、よほどお金に余裕のある人でない限り、それだけ多くの凍結卵を保存しておくことは現実的ではありません。

また、年齢が上がれば上がるほど卵胞が育ちづらくなるので、35歳以上になってそれだけ多くの卵子を提供できる人はほとんどいなくなってしまうという現実も見過ごせません。

一例として、先述の、はらメディカルクリニックでは、卵子凍結を利用した人が採卵できた個数は4~10個となっていて、特にアラフォー世代になると、いくらトライしても卵子を1個も採取できな いケースが多々あるそうな のです。

子宮年齢には個人差がありますので、アラフォーだから卵子凍結は難しいとは一概に言えない部分もあるかとは思いますが、このような事実を前にすると、妊娠においてはやはり年齢の壁は厚いと言わざるを得ないのではないでしょうか。

誰でも若い時にはやりたいことが山ほどあって、結婚や妊娠・出産をついつい先延ばしにしがちです。
結婚や出産が自分の予定よりも遅くなってしまうリスクに備えるためには、早い段階で、若くて健康な卵子を保存して取っておけば大丈夫、と思ってしまうかもしれません。

けれどそれは、凍結された卵子の時を止めたにすぎず、子宮や母体の老化を食い止められるわけではないのです。
仕事も家庭も自分の理想的な形で手に入れたいと思う女性にとって、卵子凍結はそれを無理なく叶えることができる理想的な手段、いわばドラエモンのひみつ道具のようなものに思えるかもしれませんが、現実はそれほど甘くないようです。

人生でどういう選択をするかはもちろん個人の自由ですが、将来的に子供を持つことを望んでいるのならば、どうにかなるだろうと安易に考えていて、後になって悔やむことがないように、前もって準備していきたいものですね。

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ライタープロフィール

TOMO
長く海外生活を経験し、国際情勢に精通。美食&美酒、ファッション、旅をこよなく愛する。
現在は東京在住。翻訳家&ライターとしても活躍中。
自分のキュアリは?(女性としての内面磨き) 知的好奇心を持ち続けて日々を生きること。