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女性の生涯と女性ホルモン 10【30代の変化に寄り添う】

女性の生涯と女性ホルモン 10【30代の変化に寄り添う】

女性にとって30代は最も体調が安定し、充実する時期だといいます。
少年期、青年期には「ゆらぎ」が見えることが多いですが、それも女性ホルモン分泌量のピークを越えた30歳以降は落ち着くはずです。

女性ホルモンの分泌量を数値化すると、20代中盤から値が急激に上昇し、30歳前後でピークを迎えるようすがわかります。
しかし、分泌の最大量を記録した直後から、緩やかに機能の減退が始まるでしょう。

女性ホルモンバランスの「ゆらぎ」による予測できない体調不良が減る代わりに、女性ホルモン分泌量減少によるさまざまな影響が起こるようになるのです。

しかし、頂点を過ぎたばかりの30代前半で、何らかの症状を自覚する割合はそこまで高くはありません。
決定的な卵巣の弱体化が予測される36、37歳を境として、不定愁訴によって医療機関を受診し始める割合が突然増えます。

30代中盤の女性を襲う「不定愁訴」とは

30代中盤の女性を襲う「不定愁訴」とは

不定愁訴とは、心身の両面でさまざまな部位に起こる不快症状の総称です。
特徴としてはその時々で症状自体が変わったりして、原因を究明する検査すらままならないことが多い点が挙げられます。

■身体的症状

・疲れがいつまでも残ってだるい

・頭痛、肩こり、腰痛

・慢性的な眼精疲労

・冷え、便秘、肌荒れ、胃もたれ、むくみ、吐き気

・めまい、貧血

・下痢

■精神的症状

・我を忘れるほどのイライラ、ストレス

・憂鬱、無気力、不眠、緊張

日常生活が苦しくなるほどこういった症状が強く表れるとして医療機関を頼る女性が増えるのが30代後半以降なのです。

その多くはホルモンバランスの乱れを遠因としており、さらに神経活動を司る中枢である自律神経が失調を起こした影響なのだと言われています。

女性の健康に対する意識調査によると、これらの不定愁訴を訴える女性の中で、ただ我慢するという割合が43%に上っています。
症状に対応する薬品を利用する、ストレスを発散すると言った工夫を行う割合が47%で、かろうじて何らかの動きを見せる人数の方が上回るといった状態です。

確かに、不定愁訴とされる症状は病院などでの治療が難しく、せっかくお金を出して診察を受けてもこれといった解決方法を見いだせないというケースも多いでしょう。

しかし、詳細に検査を行ったところ器質的な異常が見つかる方も少なくありません。

■30代を好発年代とする傷病

・子宮内膜症

・子宮筋腫

・卵巣のう腫

・卵巣がん

・子宮がん

・乳がん

・バセドウ病(甲状腺機能障害)

・関節リウマチ

・眼病(緑内障など)

・骨粗鬆症

・若年性アルツハイマー

これらの傷病の中で、特に子宮内膜症と子宮筋腫の危険性は40代になっても高まり続けます。
完全に閉経すれば子宮内膜の異常増殖は収まるので、卵巣が機能を停止する50代以降にはそのリスクは確実に激減するでしょう。
しかし、それまでの長い間無防備に異常を受け止め続けることはあまりにも危険です。

この時ホルモンの分泌異常が起こっていれば多嚢胞性卵巣症候群や高プロラクチン血症、甲状腺機能障害などが疑われますので、不定愁訴がこれらの傷病のサインであるかもしれないことをよく胸に刻み、適時ホルモン検査などを受けるようにして下さい。

30代のホルモンバランス

30代女性のホルモン分泌量は次第に適正値まで届かなくなると予測されますが、ピークの前後から35歳頃までは比較的高い数値で推移するはずです。

基礎値から閉経期の数値にまで下落して行く経過をどのように辿るかは個人差がありますが、目安として通常の基礎値及び閉経期の正常値を把握しておくことをおすすめします。

■下垂体ホルモン
・FSH
卵胞期(3.5~12.5)排卵期(4.7~21.5)黄体期(1.7~7.7)
閉経期(25.8mIU/ml~)

・LH
卵胞期(2.4~12.6)排卵期(14.0~95.6)黄体期(1.0~11.4)
閉経期(7.7~58.5mIU/ml)

・PRL(プロラクチン)
3.4~24.1ng/ml
・TSH (甲状腺刺激ホルモン)
0.54~45.4μIU/ml

■性腺ホルモン
・E2(エストラジオール)
卵胞期(25~195)排卵期(66~411)黄体期(40~261)
閉経期(10~40pg/ml)
・P4(プロゲステロン)
卵胞期(0.2~1.5)排卵期(0.8~3.0)黄体期(1.7~27.0)
閉経期(0.1~0.8ng/ml~)

■男性ホルモン
・T(テストステロン/アンドロゲン)
男性300~1050/ 女性8~85ng/dl

30代の内に閉経期の数値に近づいてしまったとしたら、それは早すぎです。
早期閉経などが疑われますので、治療が必要になる可能性があります。

早期閉経が起こる要因としては、生活習慣の乱れやストレスによるダメージの蓄積が大きいでしょう。
この年代は男女を問わず社会的な責任が重くなるものです。

疲れていたとしても希望通りに休みを取れず、仕方なくひたすら頑張り続けている方が多いと考えられます。

生きていくためには仕事をおろそかにできないという事情、自分が頑張らなければならないという責任感。いろいろと休めない理由はあると思いますが、職場を去った後のことを考えてみて下さい。

性機能の面から見れば30代は折り返し地点です。
しかし、女性の平均寿命が86.61歳を記録した日本ではまだまだ若手に属します。
少しでも長く卵巣と子宮の性機能を維持できれば、それだけ健康寿命と平均寿命の差を埋められるはずです。

30代の終わりから始まる更年期の諸症状は、何もせずに付き合って行こうとすると60代、70代まで尾を引くことになるかもしれません。

睡眠時間は十分に確保する。
食事はバランスよく摂る。
ストレスをためない。清潔を保ち、定期的に身体を動かす。

こう書いてしまうと当たり前の生活そのものですが、それが難しいからこそ多くの女性が体調不良に苦しむようになってしまったのです。

忙しくて自力で行うセルフケアが難しいという場合にはリラクゼーションサロンやヨガ教室などを利用するのもいいでしょう。

気分転換の散歩や、スーパーフードを取り入れた食事改革など、どんな方法でも構いません。
それまで続けていた生活を変えるとなると一朝一夕の努力では叶いませんから、少しでも早く「健康的な生活」を目指すようにして下さい。

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ライタープロフィール

円谷
円谷ミナミ
基本的に斜めの姿勢で世の中を見つめるフリーライター。
性的思考はボーダーレス。ただし多少女性に甘い。
自分のキュアリは?(女性としての内面磨き)(沈思黙考・無言実行)
”秘すれば華”を人生を通して実現する方法を模索している。
乙女の窓辺~女性にまつわる、うわさの検証~の四コマ連載中