不感症は男女で現れ方が違う……女性のED「女性性機能障害(FSD)」とは
不感症とは、セックスの際にオーガズムをうまく得られない「オーガズム不全症」のことです。
男性の場合は勃起障害・インポテンツ(ED)や射精不全などの器質的、機能的要因が知られていますが、女性のオーガズム不全症については、そもそも十分に周知されているとは言えません。
セックスの際にオーガズムを得られない症状については多様な呼び方があります。
「冷感症」
「無オーガズム症」
「オーガズム障害」
「オーガズム不全」
「不感症」
「性障害」
「性機能不全」
など。今日ではこれらを包括して「性障害」あるいは「性機能障害」と呼ぶことがほとんどです。
ただし、個別の症状や原因究明のためにはより細分化して把握しなければならず、男性ではED、女性では女性性機能障害(FSD)として、人に合わせた診断を行います。
EDの女性版とされる「女性性機能障害(FSD)」について
女性の不感症は、主に心因性の原因によって引き起こされると考えられています。
器質的な問題からオーガズムに障害が出る可能性もありますが、女性のオーガズムは精神によるところが大きく、心因性要因の領域があまりにも大きいところからこのように言われるようになりました。
女性器の構造や性感の種類から見て、この説には一理あります。
生理的快感をもたらすクリトリス。
クリトリスによるオーガズムは機械的な刺激でも得やすいのですが、膣からの性感はそのようにいきません。
ほとんど感覚器が存在しないはずの膣で女性がオーガズムを得る理由は、心理的な肉体の解放、性器の挿入による精神的快楽にあると言うのです。
膣はセックスの際の交感器官であると同時に、子どもを出産する際の通り道でもありますよね。
本来の膣のサイズは全長3センチから4センチ程度。ところが、出産時の子どもの平均頭囲は34センチなのだとか。
驚異的な伸縮を可能にする器官である一方、その特性から膣そのものは痛みなどの感覚が薄く、本来ならば刺激を受けても快感を得にくいわけです。このため、膣からの快感は精神的なものだと考えられています。
●その不感症は最初から? それとも後天的?
・性興奮障害:セックスしても気持ちいいと感じられない
・性嫌悪症:セックスに嫌悪感があり、そもそも前向きになれない
・オーガズム障害:セックスはできるがオーガズムは得られない
などなど、女性の不感症にもさまざまな現れ方があります。
治療については症状の出方、また、最初からその症状があるのか、あるいは後天的に表れたのか。
さらに、男性とのセックスで最初から感じられないのか、最初は感じられたけれど次第に不感症になったのか、特定の相手に不感症なのか。
そして、器質的な要因。卵巣や子宮の病気がないかといった側面から、不感症の原因を探ります。
男性のオーガズム不全は、身体構造上非常に解りやすい現象です。
しかし、女性は潤滑剤などの助けを借りれば、たとえ本人にその気がなくてもセックスできてしまうのです。
セックスに伴うコミュニケーション不足が、女性の性機能障害(FDS)をもたらす可能性もあります。
・過去のトラウマ
・パートナーへの不安、不満
・セックスの痛み(性交痛)がある
・セックスへの嫌悪感
・異性への嫌悪感
・妊娠への恐怖感
・セックスの相性に関する不満
・精神的な不満
・日常生活でのすれ違い
・パートナーへの不信感
もしもこれらに心当たりがあるようでしたら、相互理解が不十分な証拠です。
なるべく会話でコミュニケーションを深め、夫婦間のパートナシップを再建しましょう。
それと同時に婦人科、産婦人科、レディスクリニックや心療内科などを受診するか、あるいはカウンセリングを受けて改善に取り組んでください。
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ライタープロフィール
円谷ミナミ
基本的に斜めの姿勢で世の中を見つめるフリーライター。
性的思考はボーダーレス。ただし多少女性に甘い。
自分のキュアリは?(女性としての内面磨き)(沈思黙考・無言実行)
”秘すれば華”を人生を通して実現する方法を模索している。
乙女の窓辺~女性にまつわる、うわさの検証~の四コマ連載中