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女性特有のがんは何人に1人の割合で発生するの? 増え続けるがんリスク

女性特有のがんは何人に1人の割合で発生するの? 増え続けるがんリスク

がん(悪性新生物)が原因となって死亡する割合が年々増えていることは広く知られています。
1980年以降日本人の死因統計の中で「がん(悪性新生物)」が占める割合はどこまでも上昇を続けており、治療の難しさや発見が遅れがちな特性を考慮して、メディアでも注意喚起されるようになりました。

日本人の生涯がんリスクはおよそ50%です。
2人に1人ががんになるという状況。
パーセンテージで言えば男性の方が16%ほど多いですが、人数換算にすれば同率なのだとか。
そんな中、女性特有のがん。
「子宮体がん」「子宮頸がん」「乳がん」「卵巣がん」を発症する可能性はどの程度のものなのでしょうか?

子宮がんは33人に1人の割合で発症する

子宮がんには「子宮体がん」と「子宮頸がん」の二種類があり、「子宮体がん」は62人に1人の発生率です。
これに対して「子宮頸がん」は76人に1人。
子宮体がんは更年期周辺の女性に多く、子宮頸がんは若い世代によく見られます。
双方を合わせた「子宮がん」の発生割合は生涯換算3%で、人数で言えば33人に1人でした。
次に、卵巣がんのリスクについて紹介します。

卵巣がんは1%……87人に1人が発症する

卵巣がんについては子宮がんより確率が低く、一生涯で1%、人数では87人に1人が発症する計算です。
しかし、がんには至らないまでも子宮内膜症で卵巣に腫瘍ができたり、膿瘍ができたり(チョコレートのう胞)、あるいは卵管が詰まってしまったり(卵管閉塞)という方が少なくありません。

これらの状態はいずれも不妊症につながるので、やはりなるべく早く症状に気付いて治療する必要があります。
とはいえ必ず手術などをしなければならないわけではないので、まずは検査を受けること、相談することが先決です。

乳がんの発生率は9%の「11人に1人」だった

乳がんの発生率は9%の「11人に1人」だった

乳がんの発生率は生涯で9%でした。人数で言えば11人に1人が発症する計算です。
全がんリスクを俯瞰すると、女性のがんリスクの中では最も高い数字を示しています。

乳がんリスク9%に次いで高いのは大腸がんで8%。
それ以下となると胃がんが6%、結腸がんが6%、肺がん5%と続くので、乳がんの「9%」が女性にとってどれほどの危険性なのかをお分かりいただけるのではないでしょうか。

ちなみに乳がんも「女性特有の」とご紹介しましたが、実のところ男性にもわずかながら乳がん発症の可能性はあることを特記しておきます。

女性のがんリスクに関連して、「子宮頸がんワクチン」について気になっている女性もいらっしゃるはず。
子宮頸がんワクチンの副作用と思われる「身体の痛み」が、摂取後数年を経ても治療の甲斐なく続いている方がいるそうです。

いまだに政府はこの問題について「調査中」であるとし、今後、摂取奨励を再開するかどうかの見通しは立っていません。
もしも「がん」をワクチンで予防できるようになれば、これほど心強いことはないですよね。

しかし、どのような技術にも必ず明暗がある。それを改めて認識しておく必要がありそうです。
「がん」は対岸の火ではなく、いつ自分に降りかかってもおかしくない身近なものになりました。

ぜひ「自分がそうなった時」を想像してみてください。
どのように生きるか、どのように治療して身を守るか。よく検討していただきたいと思います。

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ライタープロフィール

円谷円谷ミナミ
基本的に斜めの姿勢で世の中を見つめるフリーライター。
性的思考はボーダーレス。ただし多少女性に甘い。
自分のキュアリは?(女性としての内面磨き)(沈思黙考・無言実行)
”秘すれば華”を人生を通して実現する方法を模索している。
乙女の窓辺~女性にまつわる、うわさの検証~の四コマ連載中