トップページ > 婦人科 > 性病 > 梅毒の危険はすぐそばに忍び寄っている!? 梅毒の感染拡大が続く

梅毒の危険はすぐそばに忍び寄っている!? 梅毒の感染拡大が続く

梅毒の危険はすぐそばに忍び寄っている!? 梅毒の感染拡大が続く

梅毒とは:

梅毒トレポネーマという菌によって引き起こされる感染症で、特に性的な接触で感染することから性感染症(STD・STI)に数えられます。

3週間から6週間の潜伏期間を経て徐々に感染部位から症状が出始め、イボや潰瘍、リンパ節の浮腫からだんだんと進行していきます。

当初は感染した部分に病変が起こり、次いで血液に乗って感染は全身へ。
病期は無治療の場合第一期、第二期、潜伏期間、第三期を経て第四期の晩期へ。

そして死に至るのですが、感染から数えて10年以降の状態です。
梅毒で死亡した歴史人物の記録は少なくないものの、現代ではここに至る患者はめったにいません。

ただし、発見の難しさとHIVとの重複感染を起こしやすい特性から危険性が高い病気です。

感染が拡大し続ける「梅毒」の恐ろしい現状

感染が拡大し続ける「梅毒」の恐ろしい現状

性感染症の中にはここ10年間で日本国内の感染者が増加しているものが複数確認されています。
クラミジア、淋病、HIV、梅毒などです。
特に異常な速度で拡大中だと警鐘を鳴らされている「梅毒」の現状を見てみましょう。

■現状まとめ
・梅毒の感染拡大はこの10年続く傾向
・若い女性の梅毒患者が増えている
・女性ほどではないものの若い男性の梅毒患者も増加へ
・特に2016年に入ってからの感染者数は「異常」
・年次ごとに倍増する梅毒患者数に国立感染症研究所が警鐘を鳴らす
■感染者の性別年代分布
・女性感染者:20代が70%から80%、次いで40代が5%程度
・男性感染者:最多は30代、次いで40代

国立感染症研究所が発表した梅毒感染者数を2013年から比較すると、恐ろしい感染実態が明らかになります。

2013年の梅毒患者数:1,200人
2014年の梅毒患者数:1,671人
2015年の梅毒患者数:2,698人
2016年の梅毒患者数:最新情報は3月30日時点で796人

2016年に入ってわずか3カ月で796人を数える増加速度は前年比のおよそ2倍。このまま行けば年末には総数でも2015年の倍以上になると予想されます。
国立感染症研究所を始め感染症の専門家たちが口々に警告を発していますが、残念ながら感染を食い止める方策は不十分と言わざるを得ません。

梅毒はいったん感染すると治療を施さなければ病原体がなくなることはないのです。無治療の感染者との性的接触で梅毒は次のキャリアに受け渡され、ひっそりと、しかし確実に感染者を増やしていきます。
どこでどのようにして梅毒に感染するのか、日本国内にある梅毒のリスクを分析する努力をしましょう。

日本に梅毒が流行し始めた理由を探る

感染症法が施行された1999年から2013年まで、日本の梅毒感染者数は年間500人から900人の間で抑えられるほどに減少していました。

特に性感染症をコントロールするために打ち立てられた法律は1928年の花柳病予防法から始まり、1948年の性病予防法、1999年の感染症法へと推移しながら性感染症の報告を義務とし、日本の性感染症の現状を記録してきたのです。

感染症法施行以前の梅毒患者数は1987年の2928人が最悪だったのですが、2016年の患者増加速度はそれを上回るほどの勢い。
専門家を中心として現状打開のために「なぜ」「どうして」の分析が続けられ、さまざまな可能性が指摘されています。

ひとつには日本に渡航する外国人観光客の増加。
これによって外国人と深い関係になった若い女性から梅毒の感染が始まったのではないか。

あるいは、LINEを始めとしたSNSによる出会いが若い世代に梅毒をはびこらせているのではないかなど。
確かに可能性は否定できないとは言っても、いずれも憶測の域を出ません。

梅毒の予防を考える

病原体梅毒トレポネーマは酸素に弱い特性を持っています。
通常の洋服から出ている部分の接触ではほぼうつらないので、感染経路はある程度限定可能です。
感染者とのコンドームを使用しない膣性交、口腔性交、肛門性交、創傷部位が病原体に汚染された時などに感染します。

また、梅毒に感染した母体からの出生児には先天梅毒が現れます。
先天梅毒でも出生時点ではなんら問題が見受けられないケースがおよそ3分の2に上り、生後徐々に神経症状やリンパ節腫脹その他の問題が発現するとのこと。

そして感染者からの輸血を受けて感染するケースも。
輸血による感染例はごくごく少なくなっているようですが、緊急輸血でスクリーニングが不十分な場合にはリスクを覚悟する必要があるでしょう。

結論として、最善の梅毒予防法は感染者との性的接触を行わないこと。そして、緊急輸血が必要になる事態を避けることです。
セックスは信頼関係を確立した特定の相手に限り、また、定期的に感染症の検査を受け、必要があればパートナーとともに治療を受けるようにしてください。

梅毒は初期症状が自然に収まってしまうのでついつい感染を見逃してしまいがちです。
病期が進むほど治療に時間がかかるうえ、周囲の人々にもリスクを与えるのです。

「もしかしたら?」と思う女性はまずパートナーと医師に相談する。
その意識が重要です。

関連記事:性感染症(STD)にはどんな種類があるの? 男女で症状が違うって本当?
ピンポン感染とは? 終わりない性病感染の連鎖
性感染症で婦人科へ行く
女性のための梅毒の症状・治療

ライタープロフィール

円谷円谷ミナミ
基本的に斜めの姿勢で世の中を見つめるフリーライター。
性的思考はボーダーレス。ただし多少女性に甘い。
自分のキュアリは?(女性としての内面磨き)(沈思黙考・無言実行)
”秘すれば華”を人生を通して実現する方法を模索している。
乙女の窓辺~女性にまつわる、うわさの検証~の四コマ連載中