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自己免疫疾患とは? 自分を守る「免疫」が攻撃に転じる時

・難治性疾患のひとつ「自己免疫疾患」について知りたい
・免疫が正常に機能しなくなると何が起こる?
・厚生労働省が認める「難治性疾患克服研究事業」について
・自分が自分を攻撃する病気
・最近増えているらしい「潰瘍性大腸炎」とはどんな病気なのか

自己免疫疾患とは? 自分を守る「免疫」が攻撃に転じる時

「自己免疫疾患」という病気の一群が拡大しつつありますが、今のところは症例が比較的少なく、どのようなものなのかまだまだ十分に周知されているとは言えません。
免疫は身体の内側に病原体が侵入してこないように防ぐ機能、あるいは侵入してきた細菌などを攻撃して感染症の発症を防ぐ機能を意味する言葉です。

本来ならば外部因子に対して働くものと考えられており、これが自分の中にもともとある細胞に向かって作用する場合に「自己免疫」と言い、さらにその活性が異常である状態を「正常状態からの逸脱」とみなして「自己免疫疾患」という「特定疾患」に分類するようになりました。

花粉症や喘息、食物アレルギーなども免疫系の病気ですが、こちらは「抗体を持つ物質に対する過剰な反応」を総称して「アレルギー反応」に分類します。

「免疫」は代謝とも密接に結びついているので、正常な機能が失われると非常に危険です。
免疫異常に際して起こる影響について見てみましょう。

免疫が正常に機能しなくなると何が起こる?

そもそも「免疫」の機能とはどのようなものなのか、これを考えてみたいと思います。
人間の持つ免疫機能は「自然免疫」と「適応免疫」に分かれ、また、発動機序としてはT細胞による免疫機能と、抗体物質の生産による免疫機能に分かれます。

また、「免疫機能」とは、細胞の活動や抗体物質生産のスイッチを押す物質が体に対して良性であるかどうかを判定する機能そのものでもあるのです。
免疫機能のどの側面で障害が起きているのか見極めれば、治療方針を決める重要な手がかりになるでしょう。
その物質が有害なものであるかどうか認識すること。この判定がうまくできなくなると、免疫は正しく働かなくなります。
抗体物質を製造する機能、抗体物質として働くT細胞、いずれかが活動しなくなった時にも免疫の働きは失われ、免疫異常と診断される状態になるでしょう。

当たり前ですが、こうなると容易にウィルス感染症にかかるようになりますし、発がんリスクも上昇します。
がん細胞は健康な人物であっても常に生まれ続けているので、免疫低下によってがん細胞への抵抗性が弱まれば、その分がん細胞の生存期間が延びて増殖効率も上昇するわけです。
一方、免疫機能が暴走して自分自身を攻撃した時には何が起こるのでしょうか。

免疫機能が自分自身に向かって攻撃を始め、自己が応答し始めた時。人の体内では組織傷害が始まります。
そのあらわれ方は人それぞれで、多臓器に損傷が起こるケース、または特定の臓器に限定して損傷が起こるケース、全身に損傷が起こるケース、アレルギーとして現れるケースなど。

厳密にいうならば「アレルギー」については抗原物質に対する免疫機能が過剰に働いて副次的に自己を損傷するだけで、自己免疫疾患とは多少異なるのですが、「免疫機能が過剰に働く」ということそのものに注目するとやはり同一の流れでとらえるべきとも考えられます。

組織傷害は炎症、炎症性潰瘍や、炎症から発展した臓器の硬変、硬化症、炎症性の変形などに続く危険性が高いので、自己免疫疾患が発生した時には早い段階で病院を受診し、治療を開始するべきです。

厚生労働省が認める「難治性疾患克服研究事業」について

厚生労働省が認める「難治性疾患克服研究事業」について

免疫機能そのものが未解明な部分が多く、現在に至っても原因不明とされる免疫系疾患は少なくありません。

しかし近年では「症例が少ない」という難病の要件から外れそうなほど患者が増加しつつある自己免疫疾患もあり、政府としてもこの危険性に注目しているようです。
厚生労働省所管の難治性疾患克服研究事業は275事業を数えます。

例えば日本人に多い胃腸系の病気に関連して「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」や「難治性炎症性腸疾患のゲノムおよびエピゲノム解析による病因・病態・治療抵抗性機序の解明」「好酸球性食道炎/好酸球性胃腸炎の疾患概念確立と治療指針作成のための臨床研究」「原因不明小腸潰瘍症の実態把握、疾患概念、疫学、治療体系の確立に関する研究」など。

また、「新生児食物蛋白誘発胃腸炎(N-FPIES)の疾患概念確立、実態把握、診断治療指針作成に関する研究」「慢性特発性偽性腸閉塞症の我が国における疫学・診断・治療の実態調査研究」「難治性腸管吸収機能障害Microscopic colitisに関する調査研究」なども日本医学会においては重要な研究です。

世界の国々と比較すると、日本人はとにかく胃腸が弱いと言われています。
その理由は腸の長さや西洋的な生活習慣などだとされていますが、「この要素さえ排除すれば問題解決!」と提示できるほどのものは残念ながら特定できていません。
日本人の多くが悩む胃腸の病気は多岐に渡ります。そのほとんどが対症療法に終始している状況なのです。

かつては胃腸に現れる病気の中に「自己免疫」が原因で起こるものがあることすらわかっていませんでした。
第二の脳として関心が高まっている腸に炎症が広がれば、自覚はなくても将来的には発がんリスクが高まるなどの影響が必ず起こります。
難治性炎症性腸疾患等の病名が難病指定されるに至った今、ようやく国として研究を後押しする体勢が整ったのです。
まだまだ「自分で自分を攻撃してしまう」自己免疫疾患が発生する理由にたどり着くまでには遠い道のりが壁となって立ちはだかっているのでしょう。

しかし、いつかは「不治の病」も治療可能になる未来が来るはずです。
たとえ、現世代では無理だとしても。

難病指定を受けている「潰瘍性大腸炎」は大腸に炎症が起こる病気です。
消化器系の炎症は「よくあること」なので特異的な病気という認識が薄いようですが、近年徐々に罹患率が上昇しています。
その危険性や症状、サインについて、ぜひ把握しておくようにしてください。

自分が自分を攻撃する病気の名前を知っておこう

自分が自分を攻撃する病気の名前を知っておこう

自己免疫疾患にはどんな病名があるのか、主だったもの、罹患者が増えているものを中心にピックアップします。発症すると治療が難しいものばかりなので注意しましょう。
初期症状やサイン、罹患率については別の記事で改めて解説しますので、そちらもぜひ参考にしていただきたいと思います。
自分の免疫が自分を攻撃する「自己免疫疾患」の臓器別種類を紹介!
婦人科形成コンテンツ02-281「全身性の「自己免疫疾患」にはどんな種類があるの?」
こちらの2記事に分割して解説した病名については以下の項目です。病名とその部位から見た分類にのみ、ここでも軽く触れておきます。

■臓器特異性自己免疫疾患(特定の臓器に起こる自己免疫疾患)
・ギラン・バレー症候群:神経

神経や筋組織に起こる急性、かつ多発性の根神経炎です。
厚生労働省「特定疾患」に指定されており、登録すれば治療費の補助を受けられます。

・重症筋無力症(MG):神経
神経伝達が阻害される病気です。
厚生労働省「特定疾患」に指定。
「眼筋型MG」は全身性へと発展します。

・自己免疫性肝炎:消化器
男女比は1対7で、好発年代は50代から60代です。
倦怠感、黄疸、食欲不振、関節痛、発熱などを伴う肝機能障害であり、悪化すると肝硬変へ至ります。

・原発性胆汁性肝硬変:消化器
胆汁が何らかの原因で肝臓にたまってしまう病気です。
症状は急速に進行するので非常に危険性が高く、さらにはほかの自己免疫疾患と合併するケースが多いと言われています。

・潰瘍性大腸炎:消化器
厚生労働省「特定疾患」に指定。
大腸に炎症性潰瘍ができる病気で、大腸内に潰瘍が集中する部位によってタイプが分かれます。

・クローン病:消化器
原因不明の炎症性腸疾患。
口腔から肛門までのすべてで慢性肉芽腫性炎症が多発し、繰り返します。厚生労働省「特定疾患」に指定。

・原発性硬化性胆管炎:消化器
肝臓内外の胆管に炎症性の線維化から来る狭窄が起こり、胆汁が鬱滞する進行性の病気です。

・自己免疫性膵炎:消化器
自己免疫性膵炎は略してAIP(Autoimmune pancreatitis)あるいは「腫瘤形成性膵炎」とも呼ばれます。
自己免疫性の炎症による機能障害、腫瘤形成から二次疾患を引き起こす病気です。

・高安動脈炎:大動脈
高安動脈炎は大動脈に炎症が起こる疾患の総称です。
ウィルス感染が契機になると考えられています。
また、遺伝因子が関与している可能性があります。

・グッドバスチャー症候群と急速進行性糸球体腎炎:肺・腎臓
グッドバスチャー症候群は急速進行性糸球体腎炎と肺胞出血を併発する致死性の高い病気です。

・巨赤芽球性貧血:血液
悪性貧血の一種、自己免疫性慢性萎縮性胃炎を合併する赤芽球系の自己免疫疾患です。
別名は「胃切除後貧血」。ビタミンB12や葉酸の欠乏から慢性萎縮性胃炎との関連性も注意すべき病気です。

・自己免疫性溶血性貧血:血液
赤血球が自己免疫によって破壊される病気です。
指定難病(特定疾患)のひとつである溶血性貧血。

・自己免疫性好中球減少症:血液(白血球)
自己抗体による血液中の「好中球」が破壊される好中球(白血球)減少症です。
関連疾患は「細菌感染」「全身性エリテマトーデス」など。

・特発性血小板減少性紫斑病:血液
厚生労働省によって指定された特定疾患のひとつ。
血小板の生産が盛んになる一方で破壊が亢進し、血小板が減少していく病気です。

・バセドウ病:内分泌系
バセドウ病、橋本病、原発性甲状腺機能低下症はそれぞれ甲状腺に関連する病気です。
自己抗体によって甲状腺ホルモンの分泌が過剰になって代謝が異常活発化します。

・橋本病:内分泌系
橋本病もまた甲状腺機能障害のひとつで、甲状腺機能障害の中で最初に自己免疫疾患と認められました。
自己免疫性の炎症によって甲状腺が破壊されていく疾患です。

・原発性甲状腺機能低下症:内分泌系
甲状腺自体に問題があって機能が低下する状態が原発性甲状腺機能低下症です。
橋本病とほぼ同義に扱われます。

・特発性アジソン病:内分泌系
指定難病のひとつであるアジソン病、あるいは慢性原発性副腎皮質機能低下症とも。
副腎皮質の機能が低下する症状群のことです。

・1型糖尿病:内分泌系
すい臓のβ細胞が破壊されてインスリン分泌機能が低下し、高血糖を呈する病気です。

・慢性円盤状エリテマトーデス:皮膚
皮膚に円盤状の湿疹ができる疾患です。
光に当たる部分に限局して症状が起こるもの、病変が全身に分布するものなどを、全身性エリテマトーデスのひとつとしてこれに分類します。

・限局性強皮症:皮膚
皮膚にのみ症状が限局する強皮症です。
肺や腎臓などにも障害が進展する全身性強皮症とは全く違う病気として扱われます。

・天疱瘡:皮膚
天疱瘡は抗表皮細胞抗体(IgG抗体)の作用によって水疱ができる皮膚疾患で、2013年には5,596人が特定疾患と認められた病気です。

・膿疱性乾癬:皮膚
これも表皮に起こる自己免疫疾患です。
特定疾患治療研究事業の対象となっています。
病変の発生部位が限定される局限型、全身に発生する全身型その他の分類があります。

・尋常性乾癬:皮膚
表皮の増殖が異常に亢進して病変を形成する病気です。
病変部位は表面から確認でき、炎症、角化、剥離を繰り返しつつ真皮内の血管肥大が起こります。

・類天疱瘡:皮膚
天疱瘡の一種として区分される類天疱瘡の中でも「水疱性類天疱瘡」「粘膜類天疱瘡」「後天性表皮水疱症」といった種類があり、また、限局性、全身性、さらに重症度で異なる治療方法が必要です。

・妊娠性疱疹:皮膚
妊娠期に発生する類天疱瘡の一種で、水疱性類天疱瘡とも。
妊娠期間中のみ限定的に発生し、出産後に解消するケースが多いので母体に対する危険性はそう大きくはないようです。

・線状IgA水疱性皮膚症:皮膚
後天性表皮水疱症とともに線状IgA水疱性皮膚症も類天疱瘡群の一角を占めています。
分類としては同じ枝に属していますが、治療の過程では他の天疱瘡・類天疱瘡との鑑別が必要です。

・後天性表皮水疱症
類天疱瘡の一種、後天性表皮水疱症も難治性の類天疱瘡です。比較的危険性の高い皮膚疾患で、炎症・水疱・びらんの生じる場所は人それぞれ。
粘膜部にも生じます。天疱瘡・膿疱性乾癬・尋常性乾癬は表皮疾患。
類天疱瘡の類(妊娠性疱疹・線状IgA水疱性皮膚症・後天性表皮水疱症)は表皮基底膜疾患です。

・円形脱毛症:皮膚
いわゆる10円玉ハゲのように頭部などで局所的に症状が現れる自己免疫疾患です。

・尋常性白斑(サットン後天性遠心性白斑・サットン母斑):皮膚
皮膚が白くなる病気です。自己免疫疾患としての白斑(汎発型)では多発的に白斑(脱色素斑)が発生して全身に広がっていきます。

・原田病:眼
メラノサイトが自己免疫による攻撃を受けて「ブドウ膜炎」を起こす眼病のひとつで、正式には「フォークト・小柳・原田病」あるいは「フォークト・小柳病」と表記。類似疾患には「ベーチェット病」「サルコイドーシス」などがあります。

・自己免疫性視神経症:眼
視神経に炎症が起こる自己免疫疾患です。進行すれば炎症は両目へ、そこから全身へと広がり、多発性硬化症が起こることも。

※多発性硬化症について
:視神経だけでなく脳にも炎症が起こる。
視神経と脳を中心として炎症症状が広がるので二次疾患の危険性が高い。

・自己免疫性内耳障害:耳
自己免疫による難聴やめまいなどを発症する疾患です。
ほかの自己免疫疾患の関連症状として現れるケースもあります。

・特発性無精子症:男性生殖器
抗精子抗体によって生じる無精子症で、男性不妊症の1つの分類に該当します。
非閉塞性無精子症のひとつです。

・習慣性流産:女性生殖器
自己免疫が関与する反復性の流産です。
全身性の自己免疫疾患である全身性エリテマトーデス(SLE)や抗リン脂質抗体症候群との関連性が高いと言われています。

・慢性萎縮性胃炎・慢性胃炎:消化器
病態は慢性的な胃炎です。別名はA型胃炎。
自己免疫疾患のひとつである巨赤芽球性貧血を合併します。

全身性自己免疫疾患

■全身性自己免疫疾患
・全身性エリテマトーデス(SLE)

皮膚から内臓まで全身の器官に炎症が起こる自己免疫疾患のひとつ。
分類としては関節リウマチ同様に膠原病の仲間です。厚生労働省指定の特定疾患。

・悪性関節リウマチ(リウマトイド血管炎)
「悪性関節リウマチ」は難治性疾患克服研究事業と特定疾患の対象になっています。
悪性関節リウマチは血管炎など、関節以外にも症状が出る膠原病です。

・シェーグレン症候群(SS)
リンパ球の浸潤によって涙腺や唾液腺など「腺」で分泌障害が起こる原因不明の自己免疫疾患です。
目、口以外にも多臓器で腺外症状が起こります。

・抗リン脂質抗体症候群(APS)
膠原病を基礎疾患とする二次性抗リン脂質抗体症候群と、原発性に分かれます。
日本の有病者は1万人から2万人。全身性エリテマトーデスの合併症として現れるケースも。
脂質に対する抗体が働いて血管塞栓症や習慣性流産、胎児死亡などを引き起こす病気です。

・多発性筋炎・皮膚筋炎(PM/DM)
自己抗核抗体によって発生する原因不明の多発性炎症性疾患です。
分類は膠原病。特定疾患の指定を受けています。
筋肉や内臓に病変が留まるものを多発性筋炎(PM)、皮膚にまで症状が現れるものを皮膚筋炎(DM)として区別します。

・全身性強皮症(SSc)
全身性強皮症は膠原病の一種です。
手足から全身へ、また、同時に身体の内側にも炎症が波及します。
皮膚の硬化は5年、6年と経過するうちに自然と回復しますが、病変が起こった内臓はもとに戻りません。予後不良の病気です。

・IgG4関連疾患
IgG4関連疾患は全身の臓器に腫脹・腫大・結節・肥厚性病変などが起こる病気です。

・顕微鏡的多発血管炎(MPA)
顕微鏡下で確認される小さな血管、毛細血管や細小動脈、細小静脈に起こる壊死性の血管炎を、他の結節性多発動脈炎の一軍から分離して「顕微鏡的多発血管炎」と定義します。

・多発血管炎性肉芽腫症(GPA)
難病指定を受けている難治性の血管炎です。壊死性の半月球糸球体腎炎(腎臓病)や全身の壊死、上気道や肺の中型血管から炎症性の壊死が起こる病気で、特徴は「肉芽腫」を伴う所です。

・好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)
好酸球は血液の中や皮膚粘膜に分布する成分のひとつ。
全身の動脈に壊死性の血管炎が起こる病気です。非常にハイリスクな疾患であると言えるでしょう。

・急速進行性糸球体腎炎(RPGN)
腎臓病の中で特に危険性が高い、いわば重症型・劇症型の病気です。
極めて急速に腎不全に至ります。発症から数週間または数カ月程度で腎不全になります。

・ベーチェット病
口内炎、眼病(ぶどう膜炎)、外陰部の潰瘍などを主症状として失明に至る率が高く、また、発作が治ったかと思えば繰り返すやっかいな病気です。
福症状として関節炎、副睾丸炎、消化器病変、中枢神経病変が起こる可能性があるので、なるべく早めに治療を開始してください。

・成人スチル病(成人スティル病)
膠原病の一種、全身型若年性関節リウマチと分類されます。
39度を超える発熱が急激に現れたり下がったりを繰り返すスパイク熱症状が1週間以上持続する点が特徴です。
そのほかには皮疹などの皮膚症状、間接性肺炎などの内臓症状といったように全身に症状があらわれます。

・強直性脊椎炎
腱と筋繊維の骨への付着部から骨炎が起こり、軟骨組織が肉芽組織へ、肉が組織から骨への置換えが起こって徐々に関節の可動域が狭まっていく病気です。
リウマチの一種であり、「HLA B27」という遺伝因子が関与している可能性が指摘されています。

・混合性結合組織病(MCTD)
混合性結合組織病は進行性の膠原病の一種です。
全身性エリテマトーデスや多発性筋炎、または全身性強皮症のような症状が混在して発現します。
肺高血圧症を併発した場合には予後不良とされています。

最近増えているらしい「潰瘍性大腸炎」とはどんな病気なのか

指定難病(特定疾患)は一般的な病気の罹患率と比べると明らかに低いですが、各種難病の登録数を並べてみると近年になって着実に罹患者が増えているものがあります。
多くの難病はその希少性から病名が世の中に普及する機会を持ちません。

しかし、罹患率が上昇すればそれだけ闘病記などで病名の周知は進みます。
自己免疫疾患の中では「潰瘍性大腸炎」がまさにそれです。
増加傾向が顕著に出ている特定疾患で、指定難病の範疇を超えるのではないかというほどに患者数が増えています。

平成26年の衛生行政報告例によると、特定疾患医療受給者証所持者数は総数925,646人で、最小人数の疾患は35人の拘束型心筋症。
これに対して潰瘍性大腸炎はトップの170,781人でした。
第二位は関連疾患を含むパーキンソン病で136,559人。
第三位が全身性エリテマトーデスで63,622人とのこと。
第三位の時点で桁が変わります。

潰瘍性大腸炎の170,781人という罹患者数は人口との比率を計算すると0.1%を超えるのです。
この増加傾向は平成に入ってから確実に加速しており、平成24年には143,733人。
翌年平成25年には155,116人になり、平成26年の170,781人へ。
毎年1万人以上も罹患者が増えていく上に、いまだに潰瘍性大腸炎の原因は特定に至っていません。

人の体内では常に臓器が活動して生命を維持していますが、臓器を形作る筋肉は意識して動かすものではなく、根源的な反射の領域です。
特に大腸ともなると感覚はより薄くなるので、潰瘍やびらんが起こってもなかなか自覚できるほどのサインは起こらないもの。
症状が悪化してようやく病気が発覚するケースが少なくないのです。

大腸の粘膜が傷ついてもすぐに日常生活に支障が起こるわけではないですが、発病から寛解、再燃を繰り返して徐々に機能障害が強くなったり、合併症が起こったりして重症化する可能性があります。少なくとも大腸がんについては潰瘍性大腸炎によるリスク上昇は確実で、発症後10年以降はいつがんになってもおかしくないと認識しておく必要があるでしょう。

潰瘍性大腸炎の炎症そのものは大腸内粘膜の表層に留まります。
その段階では粘液を伴う血便、下痢が初期症状としてあり、もう少し進行して重症度が上がると発熱やがん患者様の体重減少、腹部の痛み、出血と栄養不良による貧血が出てきます。
その後に起こり得る合併症では、大腸から離れた器官に炎症性結節などの症状が現れる可能性が高いので、一見無関係だと判断してしまいそうな症状もまた内臓疾患の一環として出てくることを覚えておくようにしてください。

皮膚の炎症性疾患で特に自己免疫によるもの。または痔など肛門の諸症状など。
「潰瘍性大腸炎」単独では大腸に留まっていた炎症が飛び火して食道炎や胃炎に展開したり、粘膜を含む皮膚の結節症状や関節症状、目の症状などを合併したりするケースが多々あり、全身のすべての器官に合併症が起こる可能性があります。
自己免疫疾患はほぼすべてが原因不明であり、「何らかの理由によって自己免疫が自分の肉体に作用してしまう病気」としか言えません。

ただし、どのような原因であれ、一つの自己免疫疾患が起これば別の自己免疫疾患のリスクもまた劇的に上昇します。これは確実な事実です。
自己免疫は身体の一連の機能の中で果たされる内臓諸機関の働きのひとつであって、大腸の免疫を司る器官もまたその流れの一部として働いているのですから。
自己免疫疾患にはお互いを誘発する性質があるのだと考えられます。つまりは「連鎖的に複数の自己免疫疾患を抱える事態になっても不思議ではない」というわけです。

潰瘍性大腸炎の好発年代は男女ともに20代です。
発症者は幅広い年代に分布しているので、好発年代から外れているから安心というわけではありません。
ただ、男性は20代前半。女性は20代後半で、いずれも喫煙者の方にリスクが高いと言われています。
重症度の低い初期症状であれば対症療法で炎症を抑えられますが、治療を受けずに重症化・劇症化すれば社会生活が破綻する上に命の危険を伴うでしょう。

どのような病気にも共通する注意ですが、早期発見、早期治療以上に有効な対策はありません。
また、予防以上の治療もありません。
ぜひこうした知名度が低いながらも難治性である危険な病気について関心を持ち、自分がどのようなリスクに身をさらして生きているのか自覚していただきたいと思うのです。

手がかりはまだまだ少ないですが、「傾向としてこのような人に多い病気だ」といった情報は参考になるはず。
視野を広く持って、世の中に流れる新しい警告やアドバイスに耳を傾けるようにしましょう。

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ライタープロフィール

円谷円谷ミナミ
基本的に斜めの姿勢で世の中を見つめるフリーライター。
性的思考はボーダーレス。ただし多少女性に甘い。
自分のキュアリは?(女性としての内面磨き)(沈思黙考・無言実行)
”秘すれば華”を人生を通して実現する方法を模索している。
乙女の窓辺~女性にまつわる、うわさの検証~の四コマ連載中