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遺伝子検査で何が分かるの? 遺伝子検査を受けるべき人物像とは

遺伝子検査で何が分かるの? 遺伝子検査を受けるべき人物像とは

かつては遺伝子というと「神の領域」とされ、ブラックボックスのような存在でしたが、今ではすっかり身近な言葉です。
肥満症になりやすい体質やがんになりやすい体質なども遺伝子情報によって見分けられるようになりました。

遺伝子検査キットなどを利用すれば自宅にいながらにして遺伝子診断を受けられるほどに浸透したとはいえ、いまだに「遺伝子検査」の種類や、それによってどのようなことが分かるのかしっかり認識できていない方も多いのではないでしょうか。

気軽に受けられるようになったからこそ上手に活用したい「遺伝子検査」のあれこれ、せっかくですから、この機会に把握しておきませんか?

●この記事の概要
・遺伝子とはどんなものなのか
・「染色体=DNA=遺伝子」は厳密には間違った認識なのかも?
・遺伝子検査で何が分かるのか
・種類によって需要が違う! 人気の高い遺伝子検査はどれ?
・郵送タイプの遺伝子検査にいくらくらいかかるのか
・どんな人におすすめ? こんな人は遺伝子検査を受けたほうがいいかも!

みんな知らない「遺伝子」のこと。遺伝子はイコール染色体ではない

みんな知らない「遺伝子」のこと。遺伝子はイコール染色体ではない

遺伝子にはわずか0.1%の「個体差」があります。
これをスニップと言うのですが、そもそも「遺伝子」とはどのようなものなのでしょうか。
遺伝子を理解するためにはまずDNAについて正しく把握する必要があります。

人間の身体は37兆2,000億個の細胞が集まってできていると言われています。
この細胞ひとつひとつに「核」があり、DNAはその中にある「デオキシリボ核酸」のことです。

DNAには両親から受け継いだ身体の情報が書き込まれていて、私たちの細胞はそれを読み込んで「特徴」を現します。
例えば目の色、髪の毛の色、遺伝的な疾患や、どんな病気になりやすいか。また、薄毛やワキガなども父祖から伝わるそうです。

こうしてDNAの情報によって決まる要素を「遺伝形質」と言い、「遺伝子」は「遺伝形質」を決めるものを意味します。

つまり、「DNA自体が遺伝子である」というわけではなく、DNAの中で「遺伝形質」を決める因子だけが「遺伝子」に相当するということです。
また、広義で考えるならばDNA以外にも「遺伝形質」を決める要素はあると認識するべきかもしれません。

例えば、まったく同じ遺伝子を分け合った一卵性双生児の子どもの事例です。
ほんのわずかな環境の違いによって指紋が異なる形になるそうです。あるいはルーツを同一にする家系の事例です。
一族が暮らした土地を離れて離散したところ、共通する因子がありながら異なる形質が付与されるようになるのだとか。

このように環境と「遺伝形質」は密接に結びついています。
土地の環境、気候、食文化や自然の植生などもまた「遺伝子」の一環だと言えるのではないでしょうか。

人間の遺伝子は祖先から受け継いだ形質を留めますが、一方で周辺環境に適応して生き延びようとする働きも持っています。
これこそ、多様性によって種族の活路を拡大しようとした本能的機能です。

人類が現在のように繁栄を成し遂げた理由がここにあります。
環境が崩れたら全滅してしまうような性質であったのならば、人類は原始時代すら生き延びられなかったはず。

しかし、それでも共通する因子と形質は「コピー」によって受け継がれ、家系によって罹患率が高い病気が決まってきます。
日本人の死因第一位を1980年代から維持し、独走中の「悪性新生物(がん)」はその代表。
平成27年の人口動態調査による日本人の死因順位でもやはり悪性新生物が単独トップを維持。
第二位を大きく引き離す結果を示しました。

参考:厚生労働省平成27年人口動態調査

■日本人の死因第一位「悪性新生物」
死亡数:370,121人
死亡率:296.2人(人口対10万)
■日本人の死因第二位「心疾患」
死亡数:195,933人
死亡率:156.3人(人口対10万)
■日本人の死因第三位「肺炎」
死亡数:120,846人
死亡率:96.4人(人口対10万)

第二位の「心疾患」から見ても2倍近い死亡数が記録されています。
日本人のがん発症率は生涯累積で2人に1人の割合。
生存率は上がっていますが死亡率は累積25%程度で推移しており、このがん発症者総数の中ではおよそ5%が遺伝性によるものなのだとか。

この5%という数字は推定ではありますが、大腸がんならば25%程度が家族性腫瘍(遺伝性のがん)であり、乳がんや卵巣がんについては5%から10%が遺伝性といったように、各種がんに特定して突き詰めればさらに詳しくリスクを判断できるでしょう。

遺伝子検査の結果からがんリスクを突き止め、発病前の専制的な治療として胃や乳房を切除した方も少なくありません。
有名なケースではハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさん。
彼女は豊満なバストとくびれたウェストなどが特徴的でしたが、夫のブラッド・ピットさんとの間に生まれた我が子を始めとした子どもたちのために死ぬわけには行かない。
生きるためならばと、まだがん細胞が発現していない健康な乳房の切除に踏み切ったそうです。

世界を駆け巡ったこのニュースは大きな衝撃を与えました。
彼女の仕事に影響が出るのではないか。
健康な乳房を切除するのは本当に正しいことなのか。
切除した後の身体への影響はないのかなど、ファンからもさまざまな声が上がり、議論を巻き起こすと同時に「家族性乳がん・卵巣がん」というものがあるのだと知らしめる効果につながったのです。
乳がん経験者でも乳房を失えば喪失感を噛みしめ、悩むといいます。

しかし、無事に手術を終えてメディアの前に顔を出したアンジェリーナ・ジョリーは非常に堂々と晴れやかな顔をしていました。
家族のため、自分のためにできる限り命を守る努力をする。

そういう意味では、彼女は最も正しい行動を選択したのかもしれませんね。
誰もが「正しいから」と突き進めるわけではない道だと思います。
遺伝子検査を受けてその情報をどう活用するか。それもひとつの命題になりそうですね。

いろんな遺伝子検査がある! 目的別に遺伝子検査を使い分けよう

いろんな遺伝子検査がある! 目的別に遺伝子検査を使い分けよう

遺伝子検査を受ければ自分がどんな病気になりやすいのか分かると言っても、特に自覚症状がない場合には検査の必要性を実感する機会はないもの。
ハイリスク群に属する条件、遺伝子検査を受けるべき人物像を明らかにしておきましょう。

■遺伝子検査を受けるべき人物像
・家族、親族にがんを発症した人がいる

いわゆるがん家系です。それぞれ発症しやすいがんが異なるので、検査を受ける際には家系の中で誰がどんながんを発症したのか調べてから相談するようにしてください。

・家系の中で遺伝性疾患と診断された人がいる
特殊な条件下で発病する病気、または形質が受け継がれていても多くは眠っているという遺伝性疾患の「根」は、把握しておくことが大事。
発症するかもしれない病気が分かっていれば、いざという時に発症を予想したり、超早期発見や早期治療が可能になります。

・薄毛やワキガなどが気になる
薄毛、ワキガは遺伝します。
まだ薄毛ではないけどその可能性があるかも? 自分では分からないけどワキガなのかも?
と思った時には遺伝子検査が役立つかもしれません。

・妊娠している女性、妊娠の予定がある女性
子どもの先天性異常、染色体異常、遺伝子異常が気になる女性は遺伝子検査を受けておくといいでしょう。
卵子は受精して分裂する前は単独の細胞です。
つまりは遺伝子の塊ですから、もともと異常を呈しやすい形質があるかどうかで子どもが抱えるリスクも変わってきます。

遺伝子は先天的に決まっているものと後天的に発現するものの2種類の形質があります。
検査の種類によってどちらを調べるか変わってくるので、目的に応じて遺伝子検査の種類を選ぶようにしてください。

ちなみに、現在では自宅で検体を採取する「遺伝子検査キット」の利用が増えているようですが、検体の状態によっては正しい結果が得られないケースも考えられるので、危険性の高い遺伝形質が疑われるような方は最初から病院に行って相談することをおすすめします。

■遺伝子検査の主な種類と費用
・トータルヘルス

どのような病気になりやすいのか、病気や身体的特徴などについて多角的に診断します。
費用は郵送タイプの遺伝子検査ならば2万円から5万円程度。

・ダイエット
脂質異常症などの形質、あるいは食欲コントロール機能など関連の形質を調べます。
糖尿病や肥満のリスクを検証する検査。
手軽な1万円以下で受けられる検査キットがあるかと思えば6万円を超えるキットもあり、検査を受ける事業者によって大きく費用が異なります。

・美容
トータルヘルスに近いですが、美容に重きを置いた内容。
主にダイエットや代謝など、美容促進に関連する遺伝子について調べる検査です。
費用は1万円から6万円程度。

・能力
学習能力、運動能力など、遺伝による身体的能力の可能性を確認する検査です。
費用は2万円以上7万円以下といったあたりです。

・がん
発がん物質の活性状態など、がんにまつわる遺伝子を調べる検査。
現在この遺伝子検査が世界中で需要が高まっています。

かつてはがん家系を特定できましたが、昨今ではあまりにも生涯累積発がん率が高くなりすぎました。
がんを発症する形質が受け継がれているかどうかより、むしろ「どのがんに罹るリスクが高いか」を見分けるために利用するべきなのかも知れません。
郵送キットの場合費用は1万円から2万円程度です。

・ルーツ
先天的な遺伝子因子をターゲットにして調査し、ルーツ、つまり祖先が何処からやってきたのか、どのような系譜で生まれてきたのかを確認する検査です。
ミトコンドリアDNAの配列によって情報を読み解きます。
費用は1万円程度から。

・性格、人格
遺伝子の形質からどのような性格・人格なのかが読み取れます。
ギャンブルにはまりやすいかどうか。浮気しやすいかどうかなども判定できるようです。
費用は500円程度。健康面での必要性は薄そうですが、生き方を考える上では役立つかも知れませんね。

・美肌
敏感肌の女性、男性に特にメリットがある検査です。
シワやシミになりやすい条件、どんな刺激に弱いかも判定できるので、スキンケアを考え直す手がかりになるでしょう。
費用は5,000円程度。興味がある方は試してみては?

・アルコール
体質を判別する検査項目で、アルコール代謝能力の有無、強度などを遺伝子から読み解きます。
社会人になる前にこの検査を受けておけば、就職してからの無理な飲み会などを断る分かりやすい理由に使えます。
費用は5000円程度なので学生でも受けやすい部類です。

検査の「種類」は項目が増えるごとに費用が高くなる

検査の「種類」は項目が増えるごとに費用が高くなる
遺伝子検査は無数の種類があります。
というのも、遺伝子によって形成が左右されるタンパク質は人体におよそ10万種類も存在し、文字に分解すれば約30億文字もあるからです。

完璧にその人の特徴や抱えるリスクを調べ、今後どのように生きていけばいいのか、また、専制的にどのような治療を施せばいいのかを遺伝子情報から考えるためには、それこそ数えきれないほどの項目に渡って遺伝子検査を受けなければなりません。

しかし、受ける項目が増えれば増えるほど検査費用は高くなります。
ご紹介したように遺伝子検査は種類によって費用がまちまちです。
項目が少なければ500円程度で済むとしても、多角的広範囲に、さらに厳密に調べるとなると、数万円どころか10万円以上かかる可能性も。

もしも今、すでに家族に遺伝性疾患が発現しているようならば、ご自身もその病気に応じた検査項目を選ぶといいでしょう。
関連疾患の危険性もあるようなら、医師にどの検査を受けるべきなのか相談することをおすすめします。

しかし、まだ何ら病気の自覚症状がない場合。健康診断や人間ドックでも何ら異常が認められない場合。
これらのケースでは、まずは「何が起こり得るのか」を調べるべきです。

そのためには前もって検査の種類や項目を限定できないので、トータルに遺伝子を判定できる総合的な遺伝子検査を選ぶといいでしょう。
各種がんや生活習慣病、薄毛(AGA)、肥満症(メタボリック・シンドローム)に糖尿病、性格、アルコール代謝、肌質、ルーツ(祖先)、身体能力、学習能力などを一度に網羅できます。

遺伝子検査は何度調べても正しい結果さえ出ていれば変化が起こるものではない1度切りのものです。
5万円程度かかると思うと尻込みしてしまうかもしれませんが、ぜひ受けてみていただきたいと思います。

遺伝子検査は唾液や毛髪などを採取するだけの簡単な検査です。
受診する本人には特に身体的な負担はありません。お気軽に検討なさってください。

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ライタープロフィール

円谷円谷ミナミ
基本的に斜めの姿勢で世の中を見つめるフリーライター。
性的思考はボーダーレス。ただし多少女性に甘い。
自分のキュアリは?(女性としての内面磨き)(沈思黙考・無言実行)
”秘すれば華”を人生を通して実現する方法を模索している。
乙女の窓辺~女性にまつわる、うわさの検証~の四コマ連載中